2013年04月01日

支援議連が原発被災者ヒアリング

【支援議連が原発被災者ヒアリング 福島県外からも要求相次ぐ】

 3月14日、子ども・被災者支援議員連盟発足後初の原発被災者ヒアリングが参院議員会館で行われた。「原発事故子ども・被災者支援法ネットワーク」(原発事故子ども・被災者支援法市民会議、JCN=東日本大震災支援全国ネットワーク、日本弁護士連合会の3者で設立)との共催で、避難者や福島県外の被害者をはじめ約150人が参加した。

 最初に国会議員が決意表明。渡辺喜美衆院議員(みんなの党代表)は「政府はいまだに基本方針を作っていない。国会の外側からこうした運動を起こしていく」、谷岡郁子参院議員(みどりの風代表)は「全会派で共同提出し全議員の賛成で成立した法律が半年以上棚ざらし状態に。それなら自分たちで基本方針、予算のたたき台となるものを作ろうと最終的な整理の作業に入っている。皆さんと私たちの共同作業で作りたい」と述べた。

 要求をぶつけたのは、福島や宮城からの避難者、宮城・栃木・千葉の被害者ら9人。福島県外からの発言が特徴だ。

 宮城から山梨に避難中の早尾貴紀さんは「原発から90キロ、小1の息子の健康が心配で3月14日、事故1年前に購入した新築住宅を残したまま、大阪へ。4月に東京で就職が決まったが、汚染状況をみて野球少年の息子のことを考え、東京にも住まないことにした。事故収束の見通しは立たず、支援者側も限界にきている。支援法の早期実現を」と求めた。

支援法で救済を

 宮城県白石市の古山智子さんは「福島との県境だが、自宅の物干しで毎時0・44マイクロシーベルト、自宅前の畑が0・548、通学路も0・562ある。文科省のモニタリングポストは0・14と低い値。福島より低いと言われるが、事故前より10倍も高い線量の所に24時間いなければいけないのはおかしい。私も避難したいが、自営業で従業員もおり、子どももいてなかなか避難できない。一日も早く元通りの線量に戻してほしい。宮城の子どもたちの最後の頼みは支援法。ぜひ最善を尽くして」。

 千葉県松戸市の増田薫さんは初期被曝を問題にした。「3月15日の吸入被曝、21日の雨が心配だ。23日には隣の東京・金町浄水場汚染の報道があった。その何日か前に水を飲ませてしまった。母親は知らないまま子どもを被曝させた、その後悔から活動を始めた。千葉県北西部はホットスポットで、毎時0・7〜0・8マイクロ。茨城県南部とともにチェルノブイリ法の放射線管理区域にあたり、働くことが許されない場所ではないか。夫の理解が得られず、子どもをサッカー教室に通わせて涙する母親もいる。去年10月から復興庁と交渉を始め、これまでに4回行なった。先月には千葉県9市の担当者が復興庁に、支援対象地域指定を求める要望書を提出。私たちはそれを後押しする署名活動を始めた」

 栃木県那須塩原市の手塚真子さんは「今も毎時1マイクロ、雨どいでは2桁の値も。屋内の線量が0・5以上の家もあり、将来の子どもの健康を非常に心配しながら暮らしている。ローンを抱え引っ越ししたくてもできない家庭、できるだけ線量の低い地域に連れて行き検査で確認することだけしかできない家庭も。私の息子は事故後、2時間外で遊ぶだけで2マイクロの被曝をする。自分たちで行なった甲状腺モニタリングは50名の枠に申し込みが殺到した。市内で甲状腺検査をやっているのは1施設だけで全額自己負担、曜日も限られている。食生活を気にしている人とそうでない人の内部被曝量には有意な差がある。周囲の大人の意識の差で子どもへの影響に差が出ないよう、支援法に期待したい」と述べた。

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国会前アクション 生きる権利を奪うな

【3・12国会前アクション 生きる権利を奪うな 支援法の早期実行を】

 3月15日、復興庁は「原子力災害による被災者支援施策パッケージ」を発表した。しかし、「子ども・被災者支援法による必要な施策は盛り込んだ」(復興相)などと言える代物ではない。被災者・避難者とともに、支援法の基本方針策定・支援実現を迫る運動を強める時だ。

 3月12日には、国会正門前で「早く被害者への補償/支援政策を!国会前アクション」が取り組まれた。
 呼びかけた福島原発事故緊急会議の植松青児さんは「支援は1に速さ、2に内容。年間5ミリシーベルト、場合によっては20ミリなどというありえない基準値で支援対象外にしようとしている。事故被害に遭った方がたを市民がどれだけ後押しできるかが問われる」。

 人として生きる権利を切々と求める言葉に参加者はじっと聞き入る。大熊町から会津若松市に避難した木幡ますみさんは「高線量生活が続くのに、謝罪もなく補償もされない。疲れ果て、ののしり合いが起きている。わずかな財物賠償では犬小屋しか建たない。『自立しろ』『前を向け』と言われても余裕がない。私の住む仮設で60代男性が亡くなっているのが見つかった。東電も政府も補償が減るから喜ぶんだろうな、とみな言っている。これでは生きてきた甲斐がない。残された体と命を使って補償を求め続ける」。

運動を強める時だ

 鵜沼友恵さんは双葉町を離れて埼玉県に暮らす。100人の参加者を見渡して言葉を詰まらせた。「警戒区域の人間だけでは大きな声になりません。たくさんの人が集まってくれることが何より力強い支援。家や財産とともに生きる権利も奪われ、息をするのがやっと。国の基本となる国民をこれほどばかにしていいのか。人として見てほしい」

 つながろう!放射能から避難したママネット@東京の増子理香さんは「近く復興庁が新たな施策を出すと聞いた。避難したママたちがそれぞれのドラマを一人の人間として伝えてきたが、稀薄な支援でしかないのではと心配。支援法は福島のためではない。東京でも水が飲めなくなり、茨城や栃木の野菜も出荷停止になった。福島と同じ思いで事故の行方を見守っている。どうかつながってほしい」。

 福島老朽原発を考える会の阪上武さんは「福島県の県民健康調査は県内に限られ、チェルノブイリでは被災者の子どもの世代に慢性疾患が多発しているのに福島の調査はがんに限定。避難の促進が必要なのに、出てくるのは帰還基準の引き上げだ。年間1ミリを基準に避難者支援を行なわせるために力を合わせよう」。

 千葉県流山市の男性は「200キロ離れているが、会津若松より線量が高い。柏市は市域の6割以上が放射線管理区域。ところが、“除染は終わった”と安全キャンペーンに4700万円計上した。そんな金があるなら被災者に回せ」と求めた。

 参加者から「復興庁へみんなで押しかけよう」「デモをやろう」などの行動提起があり、「早く支援を」「ちゃんとした支援を」とコールが響いた。

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東電株主代表訴訟 告訴と一体で責任追及

【東電株主代表訴訟 告訴と一体で責任追及】

 東京電力の株主が福島原発事故当時の取締役27人の個人責任を追及し、総額5兆5040億円の賠償を求めている東電株主代表訴訟。東京地裁に提訴して1年たったのを機に、経過報告を兼ねた集会が3月16日、東京・渋谷で開かれ、約150人が参加した。

 脱原発・東電株主運動の木村結さんは、株主代表訴訟が証拠保全を東京地裁に申し立てた結果、東電テレビ会議の録画がマスコミに公開され東電の秘密が暴露されてきたこと、20年以上株主総会で脱原発を提案してきた株主運動の中で蓄積された議事録が株主代表訴訟だけでなく福島原発事故告訴においても証拠として採用されたことを紹介。「東電が株主すらだまし続けてきた証拠が、株主代表訴訟や告訴団運動で日の目をみた。長い間株主運動を続けてきて良かった」と話した。

 河合弘之弁護士も訴訟の意義を強調する。「まだ誰も原発事故の個人責任を取っていない。第2次大戦で言うと、東条英機や宇垣一成がまだ無罪で街をうろうろ歩いているのと同じだ。責任追及をきちんとして、そこを脱原発の基礎におく必要がある」

 トークライブで芸人のおしどりマコ・ケンさんは、東電の記者会見に通いつめ、大気中に排出された放射線量を開示させてきたといったエピソードを笑いを誘いながら披露した。

 パネルディスカッションには海渡雄一弁護士、政府事故調委員を務めた吉岡斉・九州大学副学長、朝日新聞の木村英昭記者が登壇。
 吉岡さんは、大津波災害の危険性が過去複数回指摘されていたにもかかわらず、東電が対策を怠り大惨事を招いたと政府事故調が分析したことを報告し、「その経緯を実名を挙げて報告している点が功績の一つであり、株主代表訴訟にも役立っている」と述べた。
 海渡さんは、会社および個々の役員ごとに津波予見と結果回避措置の可能性を検証していくことが今後の焦点と説明し、「最終的には東電にすべての情報を公開させる制度を作る必要がある」と意気込みを語った。

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起訴求める署名 10万を突破

【起訴求める署名 10万を突破/福島原発告訴団が東京地検に提出】

 福島原発放射能大量放出犯罪の厳正な捜査と起訴を求める署名が10万筆を超えた。
 福島原発告訴団は3月13日、第2次集約分6万3501筆(総計10万3766筆)を東京地検に提出。その後、司法記者クラブで記者会見した。
 武藤類子団長が経過を報告。「告訴・告発人は全国1万4716人。受理はされたが強制捜査は始まらず、『壁は厚い』と報道される。しかし、これしか刑事責任を問う場はない。10万を超えた署名は、原発事故の責任をただすことへの国民の関心の高さを示していると思う」と話した。
 河合弘之弁護士は署名提出と合わせて地検に対し、@東電本店を強制捜査し取締役会の議事録などを押収するA福島原発の現場検証を行うB検察の人手が足りないなら警察に協力させる−よう強く申し入れたことを明らかにした。

東電の強制捜査を

 海渡雄一弁護士は同じくこの日提出した上申書の内容を説明。脱原発・東電株主運動が作成した過去の株主総会の議事録から、取締役らが「巨大津波のことも設計上考慮」「耐震強化工事は順次実施中」「福島は日本でも最も安定した地盤。大規模停電のリスクに対しては全体としての供給力の確保、系統の安定性で対応できる」などと答弁していたことを示し、この経過について取り調べるよう求めている。「検察官はメモをとりながら真剣に聞いていた」という。
 告訴団は3月19日には福島地検に署名を提出。25日から29日までランチタイムに同地検前で連続アピール行動を行う。

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2013年03月22日

「テントには愛がある」―福島避難母子が訴え

 3月21日、経産省前テントひろばを立ち退き攻撃から守ろうと、記者会見が行われました。福島市から練馬区に避難している二児の母、二瓶和子さんは次のように訴えました。

 ここのテントのおかげで立ち上がれた、テントがあってこその二瓶和子、自主避難者です。こちらでスカーフやマスクを販売させていただいたからこそ、地元・練馬区でも支援者の方たちとつながることができ、支えていただくことができ、今月は地元で活動することができました。
 このテントがあったからこそ、避難しているお母さんとも首都圏でつながることができました。私にとってはここは第二のふるさとのようです。避難してきたお母さんたちにとっても、地域は分散していてもテントがあるから自分たちは守られていると思っていると言っても過言ではありません。
 私はここでマスクを販売していた時に初めて、「あなたたちは僕たちの英雄だ」「勇気ある行動だ」と、身内よりも先にほめていただきました。それがここのテントで活動されている方たちです。
 私は、間違っていないと思って、ここで販売をさせていただくようになりました。名刺は支援者の方に作っていただきましたが、店舗やブログはありません。私としてはここの場所を事務所にしたいほどで、「どこで販売していますか」と聞かれると「経産省前のテントに金曜日来ております」と自信を持って言えるぐらい、この場所を必要としています。
 たくさんの地域に避難の会があって活動はしていても、最終的に地方からここにみなさんが足を運んでいます。それぐらいこの場所は大切です。
 また、ここで活動なさっている方々によって子どもたちが生きております。私の子どもがどうしてテントに来てくれるか。けっこう素直で、最近とくにお姉ちゃんのほうは活動に振り回しています、でも「きょうテントで大事なお話があるから来て」と言うと、「行く行く」と喜んでついて来てくれました。
 素直な子どもたちがどうしてテントに足を運ぶか。ここに愛があるからです。子どもを守ってくれているという実感があるから、それに応える子どもたちがいるんです。大人のように計算高く打算のある子たちではありません。田舎から出てきた、動物の野性のある子どもたちがテントに喜んでついて来てくれるんです。これは守られているという実感があるからなんです。
 私はここにテントの意義とテントの必要性があると思ってお話させていただきます。これは私だけの声ではなく、自主避難者である私の仲間たちの声だと思っていただきたいです。仲間たちはそれぞれの生活があってなかなかこうやって飛び出すことができません。でも、ここにあるテントのみなさんや、活動されている方々のおかげで私はここに立つことができています。なので、たとえ権力でここが潰されてしまっても、私たちの心は一つだということをお伝えしたいと思います。ありがとうございました。

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(浅井健治)
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2013年01月28日

沖縄・東京行動団の「建白書」

建白書

内閣総理大臣 安倍晋三殿 2013年1月28日

 われわれは、2012年9月9日、日米両政府による垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの強行配備に対し、怒りを込めて抗議し、その撤回を求めるため、10万余の県民が結集して「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」を開催した。

 にもかかわらず、日米両政府は、沖縄県民の総意を踏みにじり、県民大会からわずかひと月もたたない10月1日、オスプレイを強行配備した。

 沖縄は、米軍基地の存在ゆえに幾多の基地被害をこうむり、1972年の復帰後だけでも、米軍人等の刑法犯罪件数が6千件近くに上る。

 沖縄県民は、米軍による事件・事故、騒音被害が後を絶たない状況であることを機会あるごとに申し上げ、政府も熟知しているはずである。

 とくに米軍普天間飛行場は市街地の真ん中に居座り続け、県民の生命・財産を脅かしている世界一危険な飛行場であり、日米両政府もそのことを認識しているはずである。

 このような危険な飛行場に、開発段階から事故を繰り返し、多数にのぼる死者をだしている危険なオスプレイを配備することは、沖縄県民に対する「差別」以外なにものでもない。現に米本国やハワイにおいては、騒音に対する住民への考慮などにより訓練が中止されている。

 沖縄ではすでに、配備された10月から11月の2カ月間の県・市町村による監視において300件超の安全確保違反が目視されている。日米合意は早くも破綻していると言わざるを得ない。

 その上、普天間基地に今年7月までに米軍計画による残り12機の配備を行い、さらには2014年から2016年にかけて米空軍嘉手納基地に特殊作戦用離着陸輸送機CV22オスプレイの配備が明らかになった。言語道断である。

 オスプレイが沖縄に配備された昨年は、いみじくも祖国日本に復帰して40年目という節目の年であった。古来琉球から息づく歴史、文化を継承しつつも、また私たちは日本の一員としてこの国の発展を共に願ってもきた。

 この復帰40年目の沖縄で、米軍はいまだ占領地でもあるかのごとく傍若無人に振る舞っている。国民主権国家日本のあり方が問われている。

安倍晋三内閣総理大臣殿。

 沖縄の実情をいま一度見つめていただきたい。沖縄県民総意の米軍基地からの「負担軽減」を実行していただきたい。

 以下、オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会実行委員会、沖縄県議会、沖縄県市町村関係4団体、市町村、市町村議会の連名において建白書を提出致します。

1.オスプレイの配備を直ちに撤回すること。および今年7月までに配備されるとしている12機の配備を中止すること。また嘉手納基地への特殊作戦用垂直離着陸輸送機CV22オスプレイの配備計画を直ちに撤回すること。

2.米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念すること。

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2012年09月13日

シカゴ教員ストは新自由主義教育改革との闘い

シカゴで9月10日、公立学校の教員による25年ぶりのストライキが始まりました。オバマ大統領の首席補佐官だった実力派市長ラーム・エマニュエルの進める教育改革に反対し、約3万人の教員と支援者がストを続けています。

米独立メディア「デモクラシー・ナウ!」の9月11日の番組「シカゴの教員スト:数千人が集会、企業優先の教育改革に反撃」で、シカゴの公教育問題を取材し続けているジェイサル・ノア記者が次のように報じています。

−ここから−

昨日(9月10日)、数万人の教員と支援者がシカゴの中心部をデモしました。赤いTシャツ姿が一面海のようで、私が見た中で最大のデモの一つでした。みんな、このストで自分たちの考えを主張することができるととてもエキサイトしています。この国の教育政策の多くは上から、教室で授業した経験などないトップの連中から、打ち出されますからね。この連中は、教育改革の被害をもろに受ける低所得地域で過ごした経験だってないんです。

教員たちは自分たちのためだけでなく児童生徒たちのために闘っています。その教員たちをシカゴが団結して支えているのは感動的です。これこそシカゴの、また全米の多くの人びとがぜひ後押ししたいと待ち望んでいた出来事です。

(キャスターのエイミー・グッドマンが「シカゴ教員労組の新しい指導部について、カレン・ルイス新委員長について説明を」と求めたのに答えて) それはシカゴ教員労組を語る際に忘れられがちなとても重要なポイントです。カレン・ルイスの出身母体CORE(一般教育者評議会[教員労組の幹部ではない一般の組合員でつくる活動家集団])は、学校の閉鎖・統廃合と闘い、「学校改革」に反対する地域づくりを共に進めてきた教員たちのグループです。「学校改革」はシカゴで「ルネサンス2010」プログラムと「落ちこぼれゼロ」法とともに始まった政策で、地域を荒廃させました。数百人の教員の解雇につながりました。そして、以前の組合指導部はこれと闘わず、この政策に反対する地域づくりを進めてこなかったのです。

多くの学校が閉鎖になったいわば廃墟の中から、新しい教員グループが立ち上がり、ついに2010年、全米で3番目に大きい公立学校区を組織する全米第3位のシカゴ教員組合の指導権を握りました。これは全国的に影響を及ぼします。というのは、教員が地域の人びと、公教育の存在理由そのものである親たちや児童生徒たちと手に手を取って協力し合うようになったのは、長い歴史の中で初めてのことだったからです。そう、手を取り合ってです。それは厳しい闘いです。相手とするのは、学校の民営化・閉鎖、テストの強化という政策を推し進める、この国で最も大きな力を持つ勢力ですから。

(オバマの首席補佐官だったこともあるエマニュエル・シカゴ市長について問われたのに答えて) ラーム・エマニュエルは(21年間シカゴ市長として君臨した)ダレイ市政の一員で、ダレイ市長と密接な関係にありました。非常に企業寄りで、トップダウン型のやり方です。教員や親たちのことは全く考えません。今年初めには、学校閉鎖と闘っている地域の運動にいちゃもんをつけるようそそのかして不満分子に金を払うところまで落ちぶれています。教員とスト支援の地域の人たちが闘っている相手はこんな人物です。

(エマニュエル市長が市側の回答について「この回答は教員たちの要求を尊重し、児童生徒たちを正当に評価し、納税者にも公正なものだ」と自画自賛していることについて) そこがキイポイントです。というのは、メディアはスト決行が発表された時の記者会見でも、シカゴ教員労組のルイス委員長に対し「これはカネの問題なんでしょう? 賃上げでしょう。カネを受け取ったらいいじゃないですか」と聞いていたんですから。ルイス委員長の答えはこうです。「これは単にカネの問題ではありません。教室の環境の問題です。学校に空調を設置してほしいという問題です。学級定員を適正なものにしてほしいという問題です。教員の評価、教員の給与を生徒のテストの点数とリンクさせないでほしいという問題です」

市の回答に対し、組合は耳を傾けはしたものの、組合を支持する地域の人びとのことを考え、地域の人びとも教員たちのことを考え、すべての要求についてしかるべき対応が示されない限り、回答を受け入れることはないでしょう。

(エイミー・グッドマンが、ある高校生の発言を紹介。この高校では、長年務めた校長が先月、説明もなく罷免され、新しい校長に代わった。新校長がとった施策について高校生はこう語る。「新しいベラスケス校長はAPクラス[優秀な生徒が履修可能な大学レベルの科目]を3つも減らした。新校長のせいで時間割全体がめちゃくちゃになってしまった。補修クラスをベラスケス校長は導入したけど、それって侮辱よ。お前たちは出来が悪い、APクラスなんて必要ない、お前たちはバカだ、と言ってるようなもの。私は最初っから、ベラスケス校長のやり方はあの人の個人的な立場から来てるんじゃないって感じる。校長は『テストの点数をみてごらん。ひどい出来よ』と言って説得しようとしたけど、私たちのテストの点はよくなってきているし、全体としてAPクラスの合格者・登録者も増えてきている。だから、学校を動揺させるベラスケス校長の決定はあの人自身のものじゃなくて、もっと上の人の言うことに従ってるだけ」。この発言が教員ストとの関係で持つ意味について問われてジェイサル・ノア記者は)

そうですね、この高校の話はシカゴ全体の話でもあり、またストライキについての話でもあります。縮図ですね。高校生が言うのは、教育におけるトップダウンの決定、生徒の話を全く聞かない、ということです。罷免された校長は、愛されていた校長であり、地域から選ばれていた。その校長が解雇された。他に、2人の長年務めた教員、この高校の創設時からのメンバーも解雇された。この高校は「ソーシャルジャスティス高校」といって、メキシコ系アメリカ人地区、とても貧しい地域ですが、ここに学校がなかったことから地域の人びとを組織化し、ハンガーストライキまで闘って設立させた学校です。2人の創設時からの教員は疑問の声を上げたがために解雇されました。高校生たち自身も今年初め、ストライキをしました。校内で話をすることを拒否し、授業をボイコットし、座り込みをしました。今、何百というシカゴじゅうの学校で起きていることとまさに同じです。

地域が闘わなくてはならない理由がここにあります。きわめて基本的なサービスを受けるためにシカゴじゅうで共に闘わなくてはなりません。そういう基本的なサービスさえ奪い去られています。しかし、市長は相手にする学校を間違えましたね。ソーシャルジャスティス高校です。この高校の生徒たちはよく組織されているし、地域の支援を得ています。組合も彼らを支えている。そして高校生たちも今度は先生たちのストの支援のために出かけています。解雇された教員は復職しました。APクラスも復活しています。前校長の復帰をかちとること、そして学校のコミュニティ管理を実現することをめざして彼らは今も闘っています。

もう一言だけ付け加えると、この高校には地域学校評議会がありません。しかし、シカゴのほとんどすべての学校には地域学校評議会があります。これは1987年に始まった都市部の学校における民主教育の最もラディカルな実験です。シカゴは都市部の公立学校区では唯一、コミュニティおよび教員が予算や校長の人事、学校の運営について発言権を有するところです。都市部の教育をどう立て直すかが全米で問題になっていますが、シカゴがその答えです。シカゴの低所得地区の学校でいい成績を収めているのは、地域学校評議会のある学校です。私は3月に、物理的には崩壊している学校を訪れました。壁は崩れ、手すりは壁から落ちていました。しかし、地域が援助しました。教員たちはこの最も貧しく犯罪も多発している地区の親たちや祖父母たちと協力して活動していました。そしてシカゴの低所得地区の学校で7番目に高い成績を収めることとなりました。ここに、公教育、都市部の教育、コミュニティと教員と生徒とが共に協力し合って自分たちの考えを主張していくことについて学ぶべき教訓があります。

−ここまで−

(浅井健治)
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2012年06月28日

原発・非正規・貧困−諸悪の根源は経団連

全交の呼びかけで毎週水曜日、経団連前アクションがおこなわれています。以下は、6月20日の行動の様子。さまざまな人が参加し、発言しています。ただし、翌々日の首相官邸前4万5千人に比べるとかなり見劣りのする参加者数を、もっと増やしていかなくてはなりません。

【「金よりも命だ」と経団連前アクション】

平和と民主主義をめざす全国交歓会は6月20日、「金よりも命だ!再稼働撤回!経団連前アクション」に取り組んだ。

大手町の経団連会館。「銀行は富をはきだせ」「われわれは99%」のプラカードが並ぶ。高畑宅二さんは「関西の財界は『停電になったらどうする』と自治体首長に再稼働容認を迫った。メガバンクは東電への融資に、家庭向け料金値上げと柏崎刈羽の再稼働がなければ融資を止める『特約条項』を設けた。原発メーカーは福島の苦しみをよそに原発輸出に乗り出している」と経団連の罪状を指摘。土屋典子さんは「99%に貧困と格差を押しつけている諸悪の根源が経団連だ。原発なくせ。再稼働するな。非正規労働なくせ」と迫った。

東京在住15年という女性がマイクを握り、「原発の恩恵を得て生きてきた世代だからこそ、原発は手放さないといけないと思う。まさか自分がこういう抗議行動に参加するとは夢にも考えなかったが、一人の母親として子どものためにやれることをやりたい。気付いてしまったからには、何もしないでいることはできない。次世代に安心できる世界を渡すことが私たち大人の責任です」と語った。

妖怪ぬらりひょんが「命よりお金が大事でございます」と福井県を食い物にする絵を掲げた女性は「ぬらりひょん=一部の特権階級から私たちの生きる権利を取り戻しましょう」と呼びかけた。

全交は毎週水曜日18時半〜19時半、経団連前で行動を続ける。

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(浅井健治)
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2012年06月13日

反原発デモ応援給水所

1235号の「主張」に「5月27日の炎天下の原宿デモでは、『反原発デモ応援給水所』が出現した。日本の民衆運動史上、3・11以降の反原発デモほど沿道から歓迎され声援されるデモはない」と書きました。この給水所の写真をアップしておきます。撮影は山根昭平記者。記事は
http://www.mdsweb.jp/doc/1234/1234_45t.html
にあります。
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イラク石油労働者弾圧をやめろ

イラク石油労働者の弾圧をやめろ、という抗議メール・キャンペーンが"LabourStart"というウェブサイト上で行われています(6月5日〜)。
http://www.labourstartcampaigns.net/show_campaign.cgi?c=1390
で、名前・メールアドレス・所属団体(なくても可)・国を記入し、メッセージを書いて(サンプルの英文をそのまま使っても可)"Send Message"をクリックすればOKです。抗議メールはイラク議会や石油省、石油会社などに届きます。

2009年夏、全交(平和と民主主義をめざす全国交歓会)大会参加のため来日し、経産省資源エネルギー庁と石油企業2社を訪れて「イラクの石油に手を出すな」と要請したアブ・ワッタンIFC(イラク自由会議)副議長(当時)も戒告と6か月の給与カットの攻撃を受けています。抗議メールにぜひご協力をお願いします。以下は同サイトのアピールの大意です。

−ここから−

イラク石油労組活動家に対する攻撃をやめろ

世界約2千万人を組織するICEM(国際化学エネルギー鉱山一般労連)と連携したキャンペーン

イラク政府当局はたびたび労働組合活動に介入している。その手段は、労組活動家に対し強制配転や降格、罰金、移動制限その他の罰則を科すというもので、これらはサダム・フセイン政権時代以来のイラク労働法・国家公務員法によって許容されてきた。労働者の諸権利の抑圧は石油部門で最も激しく、石油省は石油会社と手を取り合って上記の罰則を強行実施している。

この厳しい姿勢は、2011年4月17日イラク南部のマイサン石油会社で、会社の腐敗に反対して平和的にデモをしていた26人の労働者を逮捕したことにも示されている。デモの実施について事前に許可を得ていたにもかかわらず、石油省の調査の結果、8人の労働者が懲戒処分、残る18人にも警告が与えられた。26人全員が、同様の行動をくり返せばさらに重い処分が科せられるとの指示を受けている、2011年12月13日に会社から一人一人に届いた書簡は、同じような活動にかかわり続けるならこの労働者たちの生計は危機にさらされることになると述べていた。

さらに、2012年1月11日には第1129号調査委員会の勧告に従ってGFTUWCI(イラク労働組合労働者評議会総連合)バスラ支部副委員長のアブドルカリーム・アブドルサダ(愛称アブ・ワッタン)に戒告と6か月の給与支払い停止の処分が言い渡された。同じ調査委員会の勧告に基づき、IFOU(イラク石油労組連合)委員長のハッサン・ジュマ・アワドには3年間の降格処分が、IFOU南部石油労組執行委員でIFOU中央委員のアデル・アブードには書面による多重戒告処分が科せられ、GFTUWCI石油労組員のアブドル・カリク・ナセルは書面による警告を受けた。これら全員に「騒乱の扇動」の嫌疑がかけられている。

−ここまで−

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経産省に「イラク石油開発の違法な入札に手を貸すな」と要請するアブ・ワッタン(左、2009年7月31日)

(浅井健治)
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