2011年11月28日

ギリシャ:監査に立ち上がる市民たち

第1208号の主張「韓国『希望のバス』の勝利/『99%』が世界を変える」で、ギリシャの公的債務監査委員会の取り組みを短く紹介しました。
http://www.mdsweb.jp/doc/1208/1208_01a.html

監査に立ち上がった市民の動きを記録した映像を、NHKのBS世界のドキュメンタリーのサイトで無料で見ることができます。12月14日午前0時まで。
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/111107.html

以下、同サイトの解説です。

−ここから−

ギリシャ 財政破綻への処方箋〜監査に立ち上がる市民たち〜

ギリシャの債務問題が、欧州のみならず全世界に深刻な影響を与えるのではと懸念されている。IMFの主導による従来の解決策では立ち行かないと考える専門家や有識者のインタビューをもとに、ギリシャ経済再建への新たな処方箋を模索する動きを伝える。

番組は、ギリシャの債務増加の歴史をたどると共に、EU内でドイツのような勝ち組と、PIIGSと蔑まれる周辺国の競争力に大きな格差が生まれた理由を説明する。

また、アルゼンチンの前例から、IMFによる緊縮財政の推進は、銀行や大企業の借金を国民に付け替えるものだと指摘。一方、石油収入が債務返済に消えていたエクアドルは、IMFと決別。国の借金のうち国民の恩恵につながらず、役人や貸し手の利益に資しただけのものについて、返済停止を宣言したことによる成果を紹介する。

ギリシャでも、さまざまな社会団体、ジャーナリスト、知識人、芸術家など多方面から一般市民が集まり、不当債務をあぶりだすための監査委員会が発足。その活動を描く。

原題:Debtocracy
制作:BitsnBytes (ギリシャ 2011年)
公式サイト(英語):http://www.debtocracy.gr/indexen.html

−ここまで−

(浅井健治)
posted by weeklymds at 20:54| 報道/活動報告

2011年11月15日

区域外避難への賠償指針で前進

国が定めた避難区域外から避難した人々への賠償問題で、原子力損害賠償紛争審査会は11月10日、避難した人も避難せずに残った人も賠償対象とする方向で合意しました。実際に賠償が支払われたわけではなく、賠償の指針がそうなったというだけなので、決して手放しでは喜べませんが、「残った人も対象」とした点を含めて一歩前進であることは間違いでしょう。

この流れを作ったのは、前回10月20日の審査会で区域外避難者自らが訴えたことです。その様子については1205号の記事になっています。
http://www.mdsweb.jp/doc/1205/1205_45g.html

しかし、これは実は紙面の制約でだいぶ短縮したものです。短縮前の記事を以下に貼り付けました。福島市長までが「自主」避難への補償を求めていることなども分かると思います。

−ここから−

【「避難の権利認めよ」―区域外避難者が審査会で訴え】

 10月20日、文部科学省内で開かれた原子力損害賠償紛争審査会で、国が指定した避難区域外から避難した住民が「避難の権利を認めてほしい」と直接訴えた。区域外避難者(いわゆる「自主的」避難者)への賠償問題は当初、議題にさえ上っていなかったが、15回目の審査会で初めてヒアリングが実現。能見善久・審査会会長から、区域外避難も賠償の対象とする見解を引き出した。
 自主的避難はこの日の審査会の最後の議題。審査会委員に対する「説明者」として、瀬戸孝則・福島市長、いわき市の渡辺淑彦弁護士、子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの中手聖一代表と宍戸隆子さんの4人が意見を述べた。

 瀬戸・福島市長は「福島市は低線量の被曝地帯。薄くても放射能は怖いものであり、避難したいという人をとどめることはできない。自主避難した人にも補償を。同時に、避難したくてもできず残っている家庭も区別しないでほしい」と要望した。経済の崩壊を避けるためとして除染を優先させている福島市だが、市民の避難の権利を否定することはできなかった。

 渡辺弁護士は、先だつ議題で賠償の状況について説明した東京電力幹部の姿勢に激しい怒りをぶつけた。「あの緊張感のなさは何だ。そもそもなぜ賠償請求書を被害者に書かせるのか。交通事故の示談でさえ加害者の側から示談案を持ってくることから始まる。ところが、東電は『書類を出さなきゃカネは出さない。書いてみろ』という態度だ。再考を求める」

 子ども福島の中手代表は、避難の時期によって賠償の線引きを図ろうとする動きを「避難の決断に影響を与えた出来事はずっとつながっている。境目はつけられない」と批判。「専門家でさえ正しい答えを出せないのに、親であるわれわれが答えを出さなくてはならなかった。安全側に立って判断しようと考えるのは当然ではないか。事故前からあった法令や基準、公衆の被曝限度や放射線管理区域の線量も、避難の合理性を示している」と指摘し、「避難する者、とどまる者―地域のきずなは引き裂かれた。せめて賠償だけでも、きずなを裂くのではなくもう一度結び合えるよう、可能な限り幅広くという考え方で議論を」と求めた。

 宍戸さんは札幌市に避難している。避難先の団地には160世帯、500人を超える区域外避難者が暮らす。「シングルマザーが多く、経済的に苦しい。北海道に避難したその日から就職を探していた人も。自主避難者はお金に余裕がある人、というのは違う。命を守る一点で避難を決めたんです」。宍戸さんは避難者の自治会を立ち上げた。「皆さん福島でとても傷ついて出てきたと知ったから」だ。コミュニティがばらばらにされた。避難を口にしただけで「何を考えている」「頭がおかしいんじゃないか」と言われた。実の親や夫も「国の言うことに逆らうのか」。「非国民」のレッテルまで貼られた。「それでも命を守りたかった。そこをくんでください」と訴える。
 区域外避難者への補償実現は金銭的次元にとどまらない意義を持つ。宍戸さんはそのことを強調した。「福島にいるお母さんたちと話すと、『国がうんとさえ言ってくれれば私も避難できるのに』『あと少し援助があれば私も飛び立てるのに』と言う。自主避難の補償それ自体が避難の権利を認めること。福島に残る人全員が避難を望んでいるとは思わない。でも、避難する権利、命を守りたいという権利は認めてほしい」
 住んでいたところは農業地帯。おいしいものを作ろうとみな頑張っていた。「北海道でいつもの半値というモモを見て悲しくなった。福島の生活は成り立たない。私は自主避難者の権利と合わせて福島県全体の補償を求める」。宍戸さんはそう締めくくった。

 4人の発言を聞いていた審査会委員からは避難の不可避性を否定する意見は出ず、能見会長は「よく噛みしめながら検討したい。自主的避難は賠償に値する一つの大きなグループ。残っている人たちの賠償の問題と同時に解決していきたい」とまとめた。

ーここまでー

(浅井健治)
posted by weeklymds at 18:54| 報道/活動報告

2011年11月12日

1207号こんな記事はいかが

2面にイラクからの米軍撤退に関する記事があります。

「グローバル資本の意をうけた米政府なら、きっとイラクに軍を置いておきたいはずだ。すんなり全軍撤退するはずがない。何か企んでいる。選挙を意識したオバマ大統領のポーズではないか」。イラク戦争に反対し、占領反対の運動を続けている人ならきっとこんなことを1度は思ったはずです。
たしかに、100人から200人の米兵がバグダッドの大使館、モスル(北部)とバスラ(南部)の2つの領事館警護の名目で残るようです。民間軍事会社の契約も続くでしょう。
 しかし、米政府の思惑通りにはいっていないのも事実です。それはなぜでしょう。どんな力が働いているのでしょう。やはり、民衆の力でしょう。


ソ連崩壊後、グローバル資本はやりたい放題出来てきましたが、もうそろそろ、そうは問屋が卸さない状況になってきたのだと思いませんか。自分の思い通りにならない時「不自由」を感じるものですが、これまで99%の人々が感じていた不自由を今や1%の者たちが不自由を味わう時代になってきたと言えるのではないでしょうか。


記事のなかに、自治を宣言するサラハディーン州議会の情報を使いました。イラク自由会議(IFC)のウェブサイトからアラビア語サイトにアクセスし、機械翻訳をかければ、多少のことがわかります。(アラビア語から日本語にするより、英語に翻訳したものを読んだ方が理解しやすいようです。)
イラクでは、中央政府同様、地方議会の腐敗も凄まじいものがあります。サラハディーン州議会自体、住民の苦悩をよそに政治屋(ヤクザ同様ですが)たちは、私腹を肥やすことに汲々としています(日本も同じかも)。自治を要求するのは住民のためではなく、「もっと大きな利権をよこせ」と言っているに過ぎません。 

11月19日(土)東京、20日(日)大阪にはイラク現地から、反占領、暫定政権樹立に向けた闘いの先頭にいるサミール・アディルIFC議長が来日します。イラクの人々はどう考えているのか、何が起こっているのか、是非直接話を聞いてください。
posted by weeklymds at 16:40| 報道/活動報告