2019年01月25日

プログレッシブ・インターナショナルからの呼びかけ

「サンダース・インスティチュート」と「DiEM25(ヨーロッパ民主主義運動2025)」が2018年11月30日、右派勢力の世界的な台頭に対抗するネットワーク「プログレッシブ・インターナショナル」を結成し、「行動のよびかけ」を発しました。以下はその日本語訳です。ウェブサイトにアップされている2分18秒のビデオの訳も添えました。誤訳・不適訳、ご容赦の上、ご指摘よろしくお願いします。
https://www.progressive-international.org/

【すべての進歩的諸勢力に呼びかける】

労働者に、環境に、民主主義に、まともな暮らしに襲いかかるグローバル戦争が遂行されている。

右翼諸党派のネットワークは、人権をむしばみ、反対意見を抑え込み、不寛容を助長するために、国境を越えて協力し合っている。人類がこうした現存する脅威に直面したことは、1930年代以降なかった。

彼らに打ち勝つには、過去数十年の失敗した体制にただ立ち戻ることはできない。足かせなきグローバリゼーションは平和と繁栄を約束した。しかし、実際にもたらされたのは、金融危機と無用な戦争、破滅的な気候変動だった。

進歩的諸勢力がグローバルな正義をめざして草の根の運動をつくり出すときが来た。世界中の労働者、女性、権利を奪われた人びとを民主主義と繁栄、持続可能性、連帯という共通のビジョンのもとに結集するときである。

プログレッシブ・インターナショナルは、世界のすみずみのコミュニティに手を差し伸べ、私たちの共通のビジョンをともに打ち立てていく。

プログレッシブ・インターナショナルは、不平等と搾取、差別、環境破壊を終わらせるためにこれまでも闘ってきた人びとを支えていく。

プログレッシブ・インターナショナルは、大胆な国際的ニューディール政策の実現に向けてともに活動し、私たちのコミュニティを、街まちを、国ぐにを、地球を取り戻していく。

世界の進歩的諸勢力が団結するときである。

きょう、DiEM25(ヨーロッパ民主主義運動2025)とサンダース・インスティチュートを代表し、私たちは「行動の呼びかけ」を発する。尊厳と平和、繁栄、地球の未来のためにともに闘う諸個人・諸団体のグローバルなネットワークをつくり出すためだ。

ともに行動しよう。プログレッシブ・インターナショナルに結集を。

ヤニス・ヴァルファキス(DiEM25共同代表)
レナタ・アビラ(同運営委員)

ジェーン・サンダース(サンダース・インスティチュート共同代表)
デーヴ・ドリスコル(同事務局長)

【プログレッシブ・インターナショナル/ビデオ】

重大な結果を伴うグローバルな闘いが起きている。危機にさらされているのは、人類の未来にほかならない。あらゆる面で、現状の体制が失敗しつつあるのは明らかだ。

上位1パーセントが今や世界の富の半分を支配する一方、何百万人もの労働者が貧困と不安でがんじがらめにされている。グローバリゼーションは繁栄を約束したが、実際にもたらされたのは金融危機と終わりなき戦争だ。その間にも、地球の気候は破壊へと近づいている。

この危機の中から、グローバルな権威主義が台頭しつつある。そうしたリーダーたちはマイノリティと自由な言論、民主主義そのものを攻撃することで国家の威信を取り戻すことを約束する。しかし、結局は彼ら自身の利益を図っているにすぎない。1930年代の恐るべき再現である。

今日の権威主義リーダーたちはそれぞれに孤立しているのではない。資金提供者や戦略、接点を共有する右翼諸政党のグローバル枢軸の不可欠な一部分である。そして、彼らは世界中で政権を奪取しつつある。

グローバルな平和と繁栄をめざす闘いの共通の戦線を、私たち自身がつくるときが来た。この運動は人びとを世界の左派勢力のもとに結びつけ、私たちがどんな世界に住みたいか、いかにそれを現実のものとするかについて考えをめぐらすだろう。世界中の働く人びとを民主主義と持続可能性、連帯という共通のビジョンのもとに結集していく草の根の運動である。私たちはもはや改良主義をよしとはしない。

私たちは世界のすみずみのコミュニティに手を差し伸べ、ともに力と連帯を築いていく。

どの国にも、進歩をめざして闘う人びとがいる。私たちはともに歩み、強固になった。世界の進歩諸勢力が団結するときだ。きょうから始めよう、よりよい未来の建設をめざして。

(編集部 浅井健治)
posted by weeklymds at 20:09| 報道/活動報告

2019年01月17日

ヨーロッパ民主化のためのマニフェスト

【EUは民主化される。さもなければ崩壊する!/DiEM25(ヨーロッパ民主主義運動2025)/ヨーロッパ民主化のためのマニフェスト/2016年2月】

国際競争力や移民、テロリズムといったさまざまな懸念のうち、ヨーロッパ列強を真に脅かす可能性があるもの−それは民主主義だ!

彼らは民主主義の名において語るが、実際は民主主義を否定し追放し抑圧する。民主主義を体制内化し、忌避し、腐敗させ、欺き、侵害し、操作することにより、民主主義のエネルギーを破壊し、民主主義の可能性を阻もうとしている。ヨーロッパ諸国人民による統治や民衆による政府は、彼らにとって悪夢だからだ。

欧州連合(EU)は、いかにして平和と連帯を何世紀もの長い紛争と偏狭の窮地から救い出せるかを世界に示し、よく知られた「丘の上のかがり火」となることもできたはずだ。悲しいかな今日、共通官僚機構と共通通貨が、言語や文化の違いを超えて一つになり始めていたヨーロッパ諸国人民を分断している。

今日いま、ヨーロッパ人は至るところでEU諸機構によって見捨てられたと感じている。ヘルシンキからリスボンまで、ダブリンからクレタ島まで、ライプチヒからアバディーン(スコットランド)まで。厳しい選択がどんどん近づいている。本物の民主主義か、知らぬ間に進む崩壊か、の選択である。

崩壊しつつあるEUの中心に、罪深い欺瞞が横たわっている−高度に政治的なトップダウンの不透明な政策決定プロセスが、“非政治的”で“技術的”で“手続き的”で“中立的”なものとして提示される。その目的は、ヨーロッパ人が自らのお金やコミュニティー、労働条件、環境に対する民主的なコントロールを行使できないようにすることである。

この欺瞞の代償は民主主義の終焉にとどまらず、分かち合う繁栄の夢でもある:
• ユーロ圏経済は競争力ある緊縮政策の断崖から踏み出し、弱小諸国における恒常的な不況と中心諸国における投資の低迷という結果に陥っている
• ユーロ圏外のEU加盟諸国は疎外され、疑わしい筋に刺激とパートナーを求めている
• かつてない不平等と希望喪失、人間不信がヨーロッパ中に蔓延している

彼らが民主主義を窒息させればさせるほど、彼らの政治的権力は正統性をなくし、経済を停滞させる力は強まり、一層の権威主義に向かう欲求は大きくなる。こうして民主主義の敵は新たなパワーを集め、正統性を失いつつ、希望と繁栄をごく少数の者(社会の他の人びとから自分を守るために、ゲートやフェンスに囲まれてしか希望も繁栄も享受できない者たち)の手に押し込める。

ヨーロッパの危機が人びとを内向きにし、互いに対立させ、以前からある好戦的愛国主義と外国人排斥を増幅させている目に見えぬプロセスがここにある。不安が私的なものとされること、“他者”に対する恐れ、自国第一主義の野心、新たな自国第一主義の政策は、ヨーロッパを苦しめ共通の利益を崩壊させる有害な結果を招く恐れがある。

金融・債務危機に対する、難民危機に対する、一貫した外国人・移民・反テロリズム政策の必要性に対するヨーロッパのみじめな対応はすべて、連帯がその意味を喪失したときに何が起こるかの実例である。

優勢なのは二つの恐るべき選択肢である:
• 国民国家の“繭”の中に引きこもる
• 民主主義なきブリュッセル支配地帯に屈する

もう一つの道がなければならない。そして、それはある!

それはあらゆる権威主義的な考え方に対するヨーロッパの全面的な抵抗につながるもの−民主主義のうねりだ!

エドマンド・バーク(18世紀イギリスの政治思想家)の言葉は今日のヨーロッパに完全にあてはまる:「悪が勝利するために必要なことはただ一つ、善人が何もしないことである」。民主主義のために献身しようとする人びとはヨーロッパ全域で行動することを決意しなければならない。そのようなうねりを呼び起こす目的で、私たちは2016年2月9日、ベルリンに集い、DiEM25運動を創設した。

私たちはヨーロッパ各地から集まり、異なる文化と言語、なまり、所属政党、イデオロギー、皮膚の色、ジェンダー自己認識、信仰、良き社会の見方によって結ばれている。

私たちは、民主主義をひどく蔑んでいる愚かなEU支配層が真に民主的なヨーロッパ連合を不可能にしてしまうのを阻止しようと固く決意するヨーロッパ人として一つになる。

シンプルでラディカルな一つの考えがDiEM25の原動力となっている:
ヨーロッパを民主化しよう!
EUは民主化されるか、さもなければ崩壊する!

最優先課題は(A)政策決定の完全な透明性(例えば、欧州理事会や経済・財務相理事会、ユーロ圏財務相会合のライブ中継、貿易交渉文書の全面公開、欧州中央銀行議事録の公表など)、(B)債務・金融・不適切投資・貧困拡大・移民といった危機に真に取り組む革新的な諸政策を追求し、既存のEU諸機構を緊急に再編成すること−である。

ヨーロッパのさまざまな危機が安定化した後の中期的な目標は、「憲法制定議会」を招集することである。そこでは、いかにして2025年までに、各国の自己決定権を尊重する最高決定機関たる議会を持ち、各国議会・地方議会・市町村議会と権限を分担する本格的なヨーロッパ民主主義をつくり出すかについて、ヨーロッパの人びとが議論を交わす。

速やかに私たちに加わって、DiEM25をつくり上げ、欧州連合を民主化するためにともに闘うことをヨーロッパの仲間たちに呼びかける。あらゆる政治的関係を単なる技術的判断のように装う権力関係へとおとしめることは終わりにしよう。EUの官僚機構を、主権を有するヨーロッパ諸国人民の意思に従わせよう。市民の意思に立ちはだかる企業権力の常習性支配を撤廃しよう。単一市場と共通通貨の運営ルールを政治によって規制しよう。

私たちは、包括的な透明性と本物の連帯、真の民主主義によって可能となる「理性、自由、寛容、創意のヨーロッパ」に触発されている。私たちがめざすのは:
• すべての権力が主権を有するヨーロッパ諸国人民に由来する民主主義ヨーロッパ
• すべての政策決定が市民による監視のもとに行われる透明性あるヨーロッパ
• 市民が国外においても国内においても同等に扱われる統一したヨーロッパ
• 未達成であってもラディカルな民主的諸改革を自らの仕事とする現実主義のヨーロッパ
• 中央政府の権力を、地方の民主主義を最大限強化するために使う分権化されたヨーロッパ
• 異なる地方、民族、信仰、国家、言語、文化からなる多元的なヨーロッパ
• 違いを大切にし、あらゆる形の差別を終わらせる平等なヨーロッパ
• 人びとの文化的多様性を生かす、文化のあるヨーロッパ
• 真の解放の前提として搾取からの自由を認める社会的なヨーロッパ
• 環境にやさしい分かち合いの繁栄に投資を振り向ける生産性のあるヨーロッパ
• 地球の富の範囲内で暮らす持続可能なヨーロッパ
• 真に世界規模でグリーンな社会への移行に取り組むエコロジーのヨーロッパ
• 市民の創意の革新的な力を解き放つ創造性あるヨーロッパ
• 連帯を支える新たなテクノロジーを推進するテクノロジーのヨーロッパ
• 過去から逃げることなく明るい未来を探し求める歴史志向のヨーロッパ
• 非ヨーロッパ人を同じ市民として処遇する国際主義のヨーロッパ
• 近隣また遠隔地における緊張を緩和する平和のヨーロッパ
• 世界中のさまざま考え方、人びと、創造力に感受性を働かせ、フェンスや国境を弱さの兆候、不安定の源とみなす開かれたヨーロッパ
• 特権や偏見、欠乏、暴力の脅威が消え失せ、ヨーロッパ人が生まれつきステレオタイプな役回りを負わず、潜在能力を発展させるチャンスを享受し、自由に生活や仕事、社会で多くのパートナーを選ぶことができる解放されたヨーロッパ
−である。

DiEM25を摘みとれ
diem25.org

*原文は
https://diem25.org/wp-content/uploads/2016/02/diem25_english_short.pdf

(編集部 浅井健治)
posted by weeklymds at 21:11| 報道/活動報告

2019年01月11日

新日鉄住金は1997年和解の精神に立ち帰れ

韓国大法院の元徴用工判決をめぐるマスメディアの報道に全く欠落していることがあります。1997年、新日鉄(現・新日鉄住金)が釜石製鉄所で働かされていた韓国人徴用工の遺族との間で、金銭支払いや慰霊事業への協力を含む内容の和解によって問題を解決したことです。

新日鉄住金はこの和解の精神に立ち返り、日本政府の指示に従うことなく自らの判断で、速やかに被害者への賠償を行わなくてはなりません。

以下は、和解について報じた「統一の旗」(現・週刊MDS)の記事です。

【画期的な勝利和解/日本製鉄元徴用工裁判/強制連行企業で初の金銭支払い/“日韓協定で決着”論に風穴/1997年10月3日 統一の旗第511号】
〈リード〉
 九月十八日、日本製鉄元徴用工裁判が新日鉄との間で和解解決した。和解内容は新日鉄による慰霊祭の実施や合計二千五万円の支払いなど。強制連行企業が被害者に金銭を払ったのは初めてで、時効などをたてに補償を拒む企業の論理を打ち破り、「日韓協定で解決済み」論に大きな風穴を開ける画期的な勝利和解だ。国相手の裁判は今後も継続する。
〈リード終わり〉

◎各原告に200万円 新日鉄

 和解成立を受けて九月二十二日、弁護団と支援する会が記者会見した。
 まず、長谷川弁護士が声明を読み上げた(別掲)。ついで、支援する会山本事務局長が談話を発表。ドイツの例と比較しながら、和解内容は金額の上でも被害者個人に支払ったという点からも国際的に高い水準であることを強調した。日鉄の強制連行について初めて研究し闘いのきっかけを作った支援する会古庄代表も「感無量だ」と感想を述べた(要旨別掲)。
 今回、新日鉄が金銭を支払ったのは、強制連行・強制労働の末に米軍の艦砲射撃で亡くなった原告の肉親の慰霊事業への協力とされている。新日鉄は「日鉄とは別会社」との理由で戦後処理の責任を回避し続けることはできなかったのである。しかも、遺族に対して支払ったことは、「時効」が補償を拒む理由にはならないことを証明している。今回の和解は「日韓協定で解決済み」という補償拒否の論理を突き崩し、他の戦後補償裁判を大きく励ますものである。
 このような和解を引き出した力は支援する会が作り上げてきた大衆的な裁判支援の運動だ。五万人を超える公正判決署名、東京総行動での新日鉄攻め、社長宅への要請はがきなどの行動が、社会的批判の広がりを恐れる新日鉄を追い込んできた。九月十一日に予定されていた全国総行動を前に新日鉄が「行動は中止してほしい」として和解案を示してきた事実にもそのことは明らかだ。
 最終交渉のため来日した原告代表六人は、十七日に釜石製鉄所内で行なわれた新日鉄主催の合祀祭に参加し、「厳粛な合祀祭で感激した」「父のことを思って涙が止まらなかった」と語っている。十八日の和解成立後は弁護団や支援する会会員と懇談。国との訴訟をあくまで闘い抜く決意を共に固めあった。

【和解内容】
 新日鉄は以下の慰霊の協力を行う。
@遺骨未返還の原告十名に一人当たり二百万円を、遺骨を受け取った原告一名に五万円を支払う。
A釜石製鉄所内の鎮魂社に原告の親族を含む韓国人被害者二十五名全員の犠牲者名簿を奉納し、合祀祭を会社の費用負担で行なう。
B韓国における慰霊に関わる費用の一部として一千万ウォン(約百四十万円)を負担する。

【声明/日本製鉄元徴用工裁判弁護団 日本製鉄元徴用工裁判を支援する会】
 我々は、今回の新日鉄の対応を英断として高く評価する。
 現在でも日本政府は、韓国に対する補償問題は一九六五年の日韓条約・日韓請求権協定と国内法で解決済みとする不当な主張を繰り返し、一方日本企業もこれに追随して「日韓協定と国内法で解決済み」「すでに時効」であるなどと主張し、韓国の戦争被害者の補償要求をことごとく拒否する理不尽な態度に終始している。こうしたなかで、日本のトップ企業の一つである新日鉄が、韓国の戦争被害者に対して直接金銭を支払いかつ慰霊事業への協力を行った。この事実は、戦時中の強制連行・強制労働の戦後処理の責任を承継法人である新日鉄が人道的立場から認めたものであり、実質的に「日韓協定による解決済み論」に大きな風穴をあけた意義があると考える。
 また、支払われた金額も一九八八年に議員立法で成立した「台湾住民である戦没者の遺族等に対する弔慰金等に関する法律」に基づき、台湾住民で戦死した軍人や軍属の遺族、台湾住民で戦争中に著しい障害を受けた軍人や軍属またはその遺族に、弔慰金または見舞金として支払われた一人二百万円と同程度のものであり、十分評価できる金額である。
 これによって、遺骨返還、未払金返還等を求めた裁判は新日鉄との間では解決したが、日本政府とは引き続き裁判が継続する。日本政府の朝鮮人強制連行・強制労働、そして賃金等の未払いと不当な供託、犠牲者の遺骨未返還の責任は重い。我々は一層の原告団との団結を固め、法廷での実質審理を強めるとともに、他の強制連行・強制労働裁判の原告・支援団体とともにILOに提訴し、国内外の世論に訴え、日本政府を包囲し、原告の要求を実現する決意である。
 そして、今回の新日鉄との解決がすべての戦後補償実現につながるよう、韓国・中国をはじめアジア各地から日本政府や企業に対して戦後補償を求めているすべての被害者および支援団体との連帯を強化し、引き続き奮闘するものである。

【和解の成果に感無量/支援する会代表・古庄正駒沢大学教授】
 私が日本製鉄の強制連行について初めて論文を書いたのは八六年の一月。その研究が今日、こういう形で実を結んだ。感無量なものがある。
 この訴訟は、戦後補償要求に対する企業や国の対応を深く問うものだ。戦争直後、現地企業と朝鮮人連盟が補償金額まで合意していたのを厚生省や企業本社が圧力をかけてつぶした。そして未払い金問題の解決策として「供託」の利用を編み出し今日まで維持している。
 強制労働の具体的資料はあるので論理的には勝てるだろうが、具体的に勝つことは無理かと思っていた。それが日本国内はもちろん、世界的にも決して少なくない額で妥結した。戦後補償裁判が膠着して動かない中でこうした回答を引き出した意義は大きい。

【勝利を喜ぶ原告たち】
◎国との訴訟も頑張る
◆洪湧善(ホン・ヨンソン)さん
 弁護団をはじめとする支援の皆さんのこれまでのご協力に感謝する。今後は日本国を相手にした裁判が残っている。これからも頑張っていきたい。

◎二百万が二億にも感じる
◆趙英植(チョ・ヨンシク)さん
 これが最善の解決とは思わない。しかし支援してくれた皆さんのことを思うと、受け取った二百万が二千万にも二億円にも感じる。
 この結果は韓国の次の世代にも伝えていけるものだ。戦後補償を求める運動を積み重ねることで日本も少しづつ変わっていくだろう。

◎これで魂を韓国に戻せる
◆李相九(イ・サング)さん
 金額について不満はあるが、新日鉄が事実を認めたこと、慰霊祭を行なうということは救いだ。ようやく韓国に魂を戻して慰霊を行なうことができる。
 原告だけの力ではとうていここまで来ることはできなかった。強制連行の第一の責任は日本政府にある。引き続き支援をお願いしたい。

◎支援のおかげで闘えた
◆李康仙(イ・カンソン)さん
 皆さんのおかげで確信を持って今日まで闘ってこれた。自分の父たちが戦争中に行なったことは間違いだと言い切って支援の闘いを進めてきた皆さんに敬意を表したい。
 韓日協定には多くの問題があり、今後も正していかねばならない。

(浅井健治)
posted by weeklymds at 16:03| 報道/活動報告