2019年01月17日

ヨーロッパ民主化のためのマニフェスト

【EUは民主化される。さもなければ崩壊する!/DiEM25(ヨーロッパ民主主義運動2025)/ヨーロッパ民主化のためのマニフェスト/2016年2月】

国際競争力や移民、テロリズムといったさまざまな懸念のうち、ヨーロッパ列強を真に脅かす可能性があるもの−それは民主主義だ!

彼らは民主主義の名において語るが、実際は民主主義を否定し追放し抑圧する。民主主義を体制内化し、忌避し、腐敗させ、欺き、侵害し、操作することにより、民主主義のエネルギーを破壊し、民主主義の可能性を阻もうとしている。ヨーロッパ諸国人民による統治や民衆による政府は、彼らにとって悪夢だからだ。

欧州連合(EU)は、いかにして平和と連帯を何世紀もの長い紛争と偏狭の窮地から救い出せるかを世界に示し、よく知られた「丘の上のかがり火」となることもできたはずだ。悲しいかな今日、共通官僚機構と共通通貨が、言語や文化の違いを超えて一つになり始めていたヨーロッパ諸国人民を分断している。

今日いま、ヨーロッパ人は至るところでEU諸機構によって見捨てられたと感じている。ヘルシンキからリスボンまで、ダブリンからクレタ島まで、ライプチヒからアバディーン(スコットランド)まで。厳しい選択がどんどん近づいている。本物の民主主義か、知らぬ間に進む崩壊か、の選択である。

崩壊しつつあるEUの中心に、罪深い欺瞞が横たわっている−高度に政治的なトップダウンの不透明な政策決定プロセスが、“非政治的”で“技術的”で“手続き的”で“中立的”なものとして提示される。その目的は、ヨーロッパ人が自らのお金やコミュニティー、労働条件、環境に対する民主的なコントロールを行使できないようにすることである。

この欺瞞の代償は民主主義の終焉にとどまらず、分かち合う繁栄の夢でもある:
• ユーロ圏経済は競争力ある緊縮政策の断崖から踏み出し、弱小諸国における恒常的な不況と中心諸国における投資の低迷という結果に陥っている
• ユーロ圏外のEU加盟諸国は疎外され、疑わしい筋に刺激とパートナーを求めている
• かつてない不平等と希望喪失、人間不信がヨーロッパ中に蔓延している

彼らが民主主義を窒息させればさせるほど、彼らの政治的権力は正統性をなくし、経済を停滞させる力は強まり、一層の権威主義に向かう欲求は大きくなる。こうして民主主義の敵は新たなパワーを集め、正統性を失いつつ、希望と繁栄をごく少数の者(社会の他の人びとから自分を守るために、ゲートやフェンスに囲まれてしか希望も繁栄も享受できない者たち)の手に押し込める。

ヨーロッパの危機が人びとを内向きにし、互いに対立させ、以前からある好戦的愛国主義と外国人排斥を増幅させている目に見えぬプロセスがここにある。不安が私的なものとされること、“他者”に対する恐れ、自国第一主義の野心、新たな自国第一主義の政策は、ヨーロッパを苦しめ共通の利益を崩壊させる有害な結果を招く恐れがある。

金融・債務危機に対する、難民危機に対する、一貫した外国人・移民・反テロリズム政策の必要性に対するヨーロッパのみじめな対応はすべて、連帯がその意味を喪失したときに何が起こるかの実例である。

優勢なのは二つの恐るべき選択肢である:
• 国民国家の“繭”の中に引きこもる
• 民主主義なきブリュッセル支配地帯に屈する

もう一つの道がなければならない。そして、それはある!

それはあらゆる権威主義的な考え方に対するヨーロッパの全面的な抵抗につながるもの−民主主義のうねりだ!

エドマンド・バーク(18世紀イギリスの政治思想家)の言葉は今日のヨーロッパに完全にあてはまる:「悪が勝利するために必要なことはただ一つ、善人が何もしないことである」。民主主義のために献身しようとする人びとはヨーロッパ全域で行動することを決意しなければならない。そのようなうねりを呼び起こす目的で、私たちは2016年2月9日、ベルリンに集い、DiEM25運動を創設した。

私たちはヨーロッパ各地から集まり、異なる文化と言語、なまり、所属政党、イデオロギー、皮膚の色、ジェンダー自己認識、信仰、良き社会の見方によって結ばれている。

私たちは、民主主義をひどく蔑んでいる愚かなEU支配層が真に民主的なヨーロッパ連合を不可能にしてしまうのを阻止しようと固く決意するヨーロッパ人として一つになる。

シンプルでラディカルな一つの考えがDiEM25の原動力となっている:
ヨーロッパを民主化しよう!
EUは民主化されるか、さもなければ崩壊する!

最優先課題は(A)政策決定の完全な透明性(例えば、欧州理事会や経済・財務相理事会、ユーロ圏財務相会合のライブ中継、貿易交渉文書の全面公開、欧州中央銀行議事録の公表など)、(B)債務・金融・不適切投資・貧困拡大・移民といった危機に真に取り組む革新的な諸政策を追求し、既存のEU諸機構を緊急に再編成すること−である。

ヨーロッパのさまざまな危機が安定化した後の中期的な目標は、「憲法制定議会」を招集することである。そこでは、いかにして2025年までに、各国の自己決定権を尊重する最高決定機関たる議会を持ち、各国議会・地方議会・市町村議会と権限を分担する本格的なヨーロッパ民主主義をつくり出すかについて、ヨーロッパの人びとが議論を交わす。

速やかに私たちに加わって、DiEM25をつくり上げ、欧州連合を民主化するためにともに闘うことをヨーロッパの仲間たちに呼びかける。あらゆる政治的関係を単なる技術的判断のように装う権力関係へとおとしめることは終わりにしよう。EUの官僚機構を、主権を有するヨーロッパ諸国人民の意思に従わせよう。市民の意思に立ちはだかる企業権力の常習性支配を撤廃しよう。単一市場と共通通貨の運営ルールを政治によって規制しよう。

私たちは、包括的な透明性と本物の連帯、真の民主主義によって可能となる「理性、自由、寛容、創意のヨーロッパ」に触発されている。私たちがめざすのは:
• すべての権力が主権を有するヨーロッパ諸国人民に由来する民主主義ヨーロッパ
• すべての政策決定が市民による監視のもとに行われる透明性あるヨーロッパ
• 市民が国外においても国内においても同等に扱われる統一したヨーロッパ
• 未達成であってもラディカルな民主的諸改革を自らの仕事とする現実主義のヨーロッパ
• 中央政府の権力を、地方の民主主義を最大限強化するために使う分権化されたヨーロッパ
• 異なる地方、民族、信仰、国家、言語、文化からなる多元的なヨーロッパ
• 違いを大切にし、あらゆる形の差別を終わらせる平等なヨーロッパ
• 人びとの文化的多様性を生かす、文化のあるヨーロッパ
• 真の解放の前提として搾取からの自由を認める社会的なヨーロッパ
• 環境にやさしい分かち合いの繁栄に投資を振り向ける生産性のあるヨーロッパ
• 地球の富の範囲内で暮らす持続可能なヨーロッパ
• 真に世界規模でグリーンな社会への移行に取り組むエコロジーのヨーロッパ
• 市民の創意の革新的な力を解き放つ創造性あるヨーロッパ
• 連帯を支える新たなテクノロジーを推進するテクノロジーのヨーロッパ
• 過去から逃げることなく明るい未来を探し求める歴史志向のヨーロッパ
• 非ヨーロッパ人を同じ市民として処遇する国際主義のヨーロッパ
• 近隣また遠隔地における緊張を緩和する平和のヨーロッパ
• 世界中のさまざま考え方、人びと、創造力に感受性を働かせ、フェンスや国境を弱さの兆候、不安定の源とみなす開かれたヨーロッパ
• 特権や偏見、欠乏、暴力の脅威が消え失せ、ヨーロッパ人が生まれつきステレオタイプな役回りを負わず、潜在能力を発展させるチャンスを享受し、自由に生活や仕事、社会で多くのパートナーを選ぶことができる解放されたヨーロッパ
−である。

DiEM25を摘みとれ
diem25.org

*原文は
https://diem25.org/wp-content/uploads/2016/02/diem25_english_short.pdf

(編集部 浅井健治)
posted by weeklymds at 21:11| 報道/活動報告