2019年10月17日

週刊MDS紙面の金城実さん

以下は、週刊MDSウェブに全記事をアップしていなかった時期の、沖縄の彫刻家・金城実さんが登場する記事をデータベースから転載したものです。

【2010年4月16日 第1129号 防衛省前で抗議行動 基地はどこにもいらない! 普天間基地の無条件返還を 県民大会に連帯行動】
 鳩山政権の新基地建設案を封じ込める闘いは大きな山場を迎えている。
 名護市辺野古で続けられている座り込み行動と連帯して毎月行なわれる防衛省前の抗議行動(主催・辺野古への基地建設を許さない実行委員会)。4月5日には市民ら100人が集まり、「普天間の無条件返還をアメリカに要求せよ」「勝連沖も陸上案も徳之島も許さない」と力のこもったシュプレヒコールが繰り返された。
 翌6日からは首相官邸前で鳩山首相の「最低でも県外」の公約履行を求めてウチナンチュ(沖縄県人)が4日間の座り込み行動に入る。その呼びかけ人の一人、読谷村議の知花昌一さんの発言に大きな拍手が起こった。
 「95年の少女暴行事件など、沖縄の怒りを受けて負担を軽減すると言いながら、基地機能は強化され続けている。今、このチャンスを逃しては基地をなくすことはできない。25日には、読谷村で10万人の県民大会を成功させ沖縄の怒りを突きつける。その前に県内移設案が発表されるのを食い止めるため、座り込みにぜひ参加してほしい」

 同じく呼びかけ人の彫刻家・金城実さんは「皆さんが毎月ここで行動を続けてこられたことに勇気づけられている。新たな県内移設を許すことは、(薩摩の侵攻、廃藩置県、日本返還に次ぐ)4度目の琉球処分。沖縄県民はずっとだまされ捨て石にされてきた。防衛省、よく聞いておけ。いかにおとなしい沖縄人でもこれ以上の不当な弾圧、人権切り捨てに黙ってはいない」と、防衛省に向かって怒りをぶつけた。
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 WWF(世界自然保護基金)ジャパンの花輪伸一さんもかけつけた。「4・25県民大会に合わせて、東京でもノー・ベース・オキナワの人文字行動を取り組む」と沖縄の闘いへの連帯を訴えた。

 防衛省に対して、金城さんに続いてSDCC(ジュゴン保護キャンペーンセンター)の代表が要請。「キャンプシュワブ陸上案も、勝連半島沖の埋め立て案も、サンゴや海草を死滅させジュゴンの海を死の海に変える」と普天間基地の即時閉鎖とジュゴン保護区の設置を求めた。

◎ウチナンチュ 官邸前座り込み

 4月6日、金城実さんや知花昌一さんら、ウチナンチュが首相官邸前で座り込みを始めた。
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 それぞれが座り込みへの思いを述べ、国会議員などの連帯アピールが続く。その後、金城さんらは首相宛て要請書を携えて内閣府へ。内閣府職員は当初、敷地の外で応対した。「沖縄では米軍司令官でさえ施設の中に迎え入れて抗議や要請を受ける」「恥ずかしくないのか」と抗議。職員は庁舎内に戻り、十数分後、上司が「事前の連絡がなかったので」と言い訳しつつ、庁舎1階の応接室に要請団全員を受け入れた。(詳報次号)
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【2010年4月23日 第1130号 沖縄県民をなめるな 首相官邸前・国会前で座り込み】
 基地撤去の沖縄の声を届けようと、彫刻家の金城実さんらウチナンチュ(沖縄県人)6人が呼びかけて4月6日から9日まで首相官邸前と国会前で座り込みが取り組まれた。4日間で延べ千百人が行動を共にした。

 スタートの6日。「ウチナンチュをなめるな」の横断幕を掲げ、発言が続く。
 金城実さんは「今の政府はしかと認識せよ。400年前の薩摩による処分、1871年の廃藩置県という名の処分。返還の時には密約事件。第4回の琉球処分をするつもりなのか。沖縄の人間をなめとる。新しい政権は甘く見たらいかん。沖縄がこれであきらめると思ったら大間違いだ」。読谷村で農業に従事する知花盛泰さんは「51年前、宮森小学校に米軍機が突っ込み、17人が亡くなった。それが沖縄の現実だ。今の案は県内たらい回し。狭い沖縄には基地を作らせる場所はどこにもない。基地は県民を守っていない。アメリカの基地はアメリカに持っていけと訴えたい」。
 山内徳信参院議員は「沖縄の怒りはついに総理官邸の前に結集した。なぜここまでしなければ政府は沖縄の声を聞かないのか。鳩山総理、当時の代表は沖縄県民に約束した。アメリカに持って帰れと交渉すべきだと。官邸ののど元で訴えよう」とアピール。
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 最終日の9日は国会前で沖縄上京団を先頭に座り込んだ。
 上京中の伊波洋一宜野湾市長が飛び入りでマイクを握った。「06年に合意したロードマップでは普天間のヘリ37基のうち12基が岩国、残りの25基がグアムに移るはずだった。そもそも海兵隊は沖縄や日本を守る軍隊じゃない。沖縄に海兵隊の基地を作る必要性はどこにもない。撤去しかない」と励ました。

 上京団の宿泊場所を提供した日本山妙法寺の武田隆雄さんは「普天間は沖縄だけの問題ではなく、イラクやアフガンに人殺しに行く基地であり、私たちの問題だ」。イラク戦争の検証を進めるネットワークの志葉玲さんは「今日、鳩山首相に検証委員会設置を求める100人の国会議員の署名を渡した。イラク戦争に果たした沖縄の検証を含めて真実を明らかにさせたい」。参加者が共通に訴えるのは、基地はどこにもいらない、だ。
 4月25日には沖縄で10万人規模の県民大会が計画されている。「本土から大挙して参加しよう」「この日に全国各地で同時に集会を持とう」など連帯の声が相次いだ。沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、東京沖縄県人会は同日同時刻に社会文化会館で集会を開く。夜は明治公園で人文字集会が計画されている。
 締めくくりは首相官邸前に移動し抗議。読谷村の知花昌一村議が決意を述べた。「辺野古はまだ杭1本も打たせていない。沖縄のどこにも基地は作らせない。体を張って阻止する。島ぐるみの闘いがアメリカではなく日本政府相手に起こる。そうならないために無条件で基地は撤去すべきだ。闘いはこれからだ」

【上記座り込み時の金城実さん発言の詳細 取材メモより】
 沖縄の人は中央の日本政府の動きには敏感だ。知識や情報ではなく、歴史を背負って差別と不当な仕打ちを受けてきて、肌で、匂いで感じている。触覚で、見つめている。
 今の政府はしかと認識をせよ。400年前の薩摩による処分、1871年の廃藩置県という名の第2の処分。返還の時には密約事件。西山記者は一生を棒に振った一方で、佐藤栄作はノーベル平和賞をもらってあの世へ行った。第4回の琉球処分をするつもりなのか。口先だけでかわいそうとか負担軽減とか言う。青い空青い海とかゴーヤチヤンブルーとか、沖縄の人はやさしいとか。恥知らずだ。沖縄の人間をなめとる。新しい政権は甘く見たらいかん。
 次から次に来ますよ。個人参加です。何々組合とか何々党ではなく、一人一人のウチナンチュが、それを受けとめる良心的な人々が、これから来る。もう来ています。私の生まれ故郷のうるま市からも来ている。
 沖縄がこれであきらめると思ったら大間違いだ。そのことをしかと肝に銘じてほしい。

【2013年8月13日 第1145号 韓国併合100年 戦後補償から東アジア共同体へ 8月「日韓市民共同宣言大会」の成功を】

◎靖国合祀を批判

 全交の分野別討議「韓国併合100年 戦後補償から東アジア共同体へ」には、約30人が参加。「韓国併合100年」の今年こそ、日本とアジアの過去・現在・未来の関係を問い直す絶好の機会にしていこうと呼びかけられた。
 海外ゲストとして参加した韓国の太平洋戦争被害者補償推進協議会共同代表の李熙子(イ・ヒジャ)さんは特別報告で「生き別れた父の痕跡だけでも探そうと被害者運動に参加した。父が靖国神社に合祀されていることを知ったのは97年だった。ところが、靖国神社には30年以上前の59年に合祀されていた。日本政府は韓国の遺族には何も知らせていないのに、靖国神社には父の情報を渡していた。こんなことが許されるのか。全く資料が見つからない遺族も多い」と、当事者を無視して進められた靖国合祀を批判した。
 続いて、沖縄・合祀ガッティンナラン訴訟原告の金城実さんが報告した。「沖縄戦で壕を追い出された住民、集団強制死させられた赤ん坊も日本軍の協力者として援護法の対象になった。そして、援護法の対象になったことを理由にその赤ん坊も靖国神社の神として祀られている。靖国神社はそれほどいい加減なところだ。法廷は靖国や国との闘いの場だ」。10月26日の1審判決への支援を訴えた。

◎注目集めた写真展

 討議では、関東での『韓国併合100年写真展』の取り組みが注目された。東京・江東区で取り組んだスタッフは「右翼の宣伝カーが15台も来て妨害したが、1日で100人が参加して成功した。感想もよく、準備過程でも地域の方の多くの協力を得た。大きな一歩を踏み出した」と語った。横浜市からは、「『2人いればできそうだ』と開催を決め、地域の知人友人に呼びかけたところ、財政的支援、当日のスタッフ、宣伝など協力してくれる実行委員が25人も集まった。1週間で230人以上が見に来てくれた」と成功例が報告された。
 イ・ヒジャさんから10月に韓国の遺族が日本全国を回る証言集会の企画の報告があり、それをどう支えていくのか議論された。参加者の一人は「政治を変えるしかない。それには東京だけで取り組んでいてもだめ。遺族の証言集会に地元の国会議員にも来てもらおう」。強制労働・軍人軍属の立法解決案も報告された。地域での取り組みを積み上げ、来年の通常国会への同解決法案提出を目指すこと、8月の「日韓市民共同宣言大会」を成功させ「宣言」への支持を全国に広げることなどを拍手で確認した。

【2010年10月8日 第1152号 「韓国強制併合」100年を考える 沖縄で4団体が集いを開催】
 「日本による『韓国強制併合』百年を考える集い・沖縄」(主催・同実行委員会)が9月25日、那覇市内で開催された。沖縄戦で朝鮮半島から強制連行された軍夫問題に取り組んできた「沖縄恨(ハン)之碑の会」が呼びかけ、一日実行委員会として日韓合同授業研究会沖縄委員会 、「靖国合祀ガッティンナラン!訴訟」原告団、 沖縄戦記録フィルム1フィート運動の会の3団体が加わった。

◎「市民共同宣言」を受けて

 司会と運営は、恨之碑の会代表の安里英子さん。「先月、東京やソウルで『日韓市民共同宣言』が採択された。日ごろから沖縄で朝鮮半島との民衆連帯に取り組んでいる団体がこうして一緒に開催までこぎつけたことが大きい」と開催までの経過を報告する。開会の挨拶は、同じく恨之碑の会理事の平良修さん。「なぜ『日韓併合』と言われるのでしょうか。今日の集会名称には『韓国強制併合』と書かれています。すべての表記を『韓国強制併合』と書き改める思想を広げたい」と開催の意義が強調された。
 特別報告として、読谷村議会議員の知花昌一さんが6月22日に村議会で採択された「日本軍『慰安婦』問題の解決をめざす法制定を求める意見書」の取り組みを報告。「私の議員任期も明後日27日まで。最後の仕事として慰安婦決議に取り組んだ。沖縄戦では村内に11か所の慰安所があり、40名以上の慰安婦の方がいた。決議の翌日、大阪の一市民から匿名で抗議文が議会に届けられたが、ぜひこうした運動を県内で広げたい」と力強く語った。

◎東アジアの平和に向けて

 第1部は、復帰の年から38年間沖縄に住む朝鮮近代史研究家で汎民研究会共同代表の金洙變(キム・スソプ)さんが「近代史におけるアジアと朝鮮・日本〜アジアの支配をもくろんだ日本の朝鮮占領〜」と題した講演。金さんは「日本による強制併合という植民地政策による最大の問題は、朝鮮戦争の悲劇をはじめとする旧ソ連とアメリカが行なった南北分断がいまだに続いていること。朝鮮半島はひとつ、東アジアに平和で安定的な未来をつくるために一日も早い平和的統一を」と強調した。
 第2部は、実行委員会構成団体からの報告。「靖国合祀ガッティンナラン!訴訟」原告団の金城実さんは「尖閣問題でまた天皇制という靖国思想のウイルスが全国に広がっている。沖縄はもう犠牲になりたくないので、おとなしくしてほしい」とナショナリズムを煽る日中両政府に苦言を呈した。
 昨年、沖縄は島津藩による侵攻400年だった。日本政府による沖縄への軍事支配は基地問題を見ても変わっていない。「韓国強制併合」は、沖縄の問題でもあることが最後に確認された。

(編集部 浅井健治)
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