2012年04月23日

経産省前ハンスト:黒田節子さん、中嶌哲演さん

 経産省前テントひろばの集団ハンスト初日、4月17日におこなわれた記者会見での原発いらない福島の女たち・黒田節子さん、福井県小浜市明通寺住職・中嶌哲演さんの発言を紹介します。

◎黒田節子さん

 中嶌哲演さんの3月25日の突然のハンスト宣言を聞き、福島の私たちも何とかつながりたいと思った。非暴力で平和裏に、原発のない社会を夢見ながら、そしてそのことを実際にどうやって道筋をつけていったらいいか私たちは日々考えていた。哲演さん、70歳にして本当にご苦労さまでした。
 私たちは哲演さんが終了された3月31日から最初は4月いっぱいの予定でしたが、5月5日までやります。すでに昨日段階で100人以上がリレーでつながってくださっている。南は熊本、北は北海道、海外でもアメリカをはじめとして今まで会ったこともない人たちだが、少なくとも名前と住所を言ってくださった方だけでも100人の方がエントリーして今もハンストが続けられている。
 ハンストは女たちにとってはダイエットにもなるが、楽しいことがいっぱいある。脱原発社会を夢見ながらやれる。今まで会えなかった人と具体的につながっていくことができる。楽しみながらやっている感じです。
 今度、男テントで本当の断食、ほんとに命をかけた断食が始まるというのでまた福島からかけつけてきた。
 みなさん、脱原発社会を夢見て、夢見てでなくて、本当に近づけるために、再稼働絶対阻止。福島は今でも被曝しています。子どもたちを助けてください。

◎中嶌哲演さん

 3月25日の700人全国各地からお集まりいただいた福井での集会のときにあいさつしたもの、断食宣言を行なったときの文書の一部を読み上げたい。
 昨年の福島原発震災以来、地元という概念が厳しく問い直されている。福島原発10基の地元が浜通り、若狭の原発15基が敦賀や美浜などに決して限られていたのではない。新たに拡大された30キロ圏内にもとどまらない。もともと福島原発の真の地元は関東首都圏にあったのであり、若狭原発のそれは関西大都市圏にあり続けてきたのではないか。
 いわゆる安全神話も昨年3月に崩壊したのではなく、福島や若狭に最初の1基が押しつけられたときすでに、原理的にも現実的にも自らを否定していたのではないか。
 広瀬隆さんは81年に『東京に原発を』という原発関連の処女作を発表した。原発の安全神話と必要神話を根源的に問うタイトル。それ以来、交流を重ねている。
 大飯原発3、4号機の再稼働が一点突破されれば、各地の原発群がなし崩しに再稼働され、延命が図られていくだろう。近未来に国内の原発が全面停止するのは、第2の福島が続発するときであることは容易に想像できる。
 かつて国策として戦争を推進した軍国主義政権は、沖縄、広島、長崎、大空襲もあったが、そういう過酷な犠牲のあとに初めて敗戦を決断せざるを得なかった。
 巨大な原子力ムラの一角を担う現政権も福島だけではまだ懲りていないのか。私たち国民もあの一億総懺悔の日を座して待つのだろうか。若狭原発震災の前夜、これは地震学者石橋克彦さんの警告です。第2の福島、日本滅亡、広瀬さんの最新の著書のタイトル。こういう警鐘が今鳴り響いているんです。私たちは断じて大飯3、4号機の再稼働を認めることはできません。
 現在、国会など3つの福島事故調査委員会と今後のエネルギー原発政策の根幹にかかわる議論を行なっている国レベルの3つの協議会がそれぞれこの夏をめどに結論を出そうとしている。原発の再稼働はそもそも本当に必要なのかという意味を考えていただく上でも国民的な規模でこの際集中してこの論議に関与していくべきではないか。
 さて、みなさん、先月25日から31日まで私は福井の県庁ロビーの中で断食した。今日は今朝から昼食と夜、3食だけで申し訳ないが、1日断食を行なう。この40年あまり、好むと好まざるとにかかわらず若狭が原発との共存・容認を余儀なくされている間に、私自身に生じたゆがんだ骨格をただし、贅肉をとり、濁った血液を浄化し、乱れがちの呼吸を整えるためでもある。少欲知足の精神をいささかなりとも体感したい。
 このあいだの1週間も、今日の1日も私は苦行としてやっているのではない。黒田さんがいみじくもおっしゃったように、さまざまな夢、喜びも同時に噛みしめながら行なっていく。
 何よりもあの東北の大地震、大津波、福島原発震災の犠牲になり被災されたすべての人々、生きとし生けるものに思いを寄せつつ、若狭にもまたどこにも大震災である原発震災を連発させないよう祈念し、先にのべた要望と行動の広がりを訴えたいと願う。
 広島原発120万発分の死の灰、新たなヒバクシャである48万人もの被曝労働者たち、原発震災の最大の災害弱者たる福島県の36万人の子どもたち、をすでに生み出してしまった国内54基の原発、子どもたち若者たちに私は心から詫び、許しを乞いながら、切なる希望をも伝えたい。このまま若狭の原発を止め続けられたら、お金や形に代えられない深い安心と安全を取り戻せるでしょう。美しい若狭の海と浜辺と豊かな海の幸を再生できるでしょう。穏やかで奥深い若狭の歴史と文化を再発見しましょう、と。
 これまでも小浜市民会議や福井県民会議のビラの中で、また各地でたびたび紹介してきた1編の詩を読み上げて私のあいさつとする。あとからくる者のために。知る人ぞ知る、宗教界とくに仏教界ではよく知られている坂村真民さんの詩です。

あとからくる者のために
苦労するのだ
我慢するのだ
田を耕し
種を用意しておくのだ

あとからくる者のために
しんみんよお前は
詩を書いておくのだ

あとからくる者のために
山を川を海を
きれいにしておくのだ

ああ後からくる者のために
みんなそれぞれの力を傾けるのだ

あとからあとから続いてくる
あの可愛い者たちのために
未来を受け継ぐ者たちのために
みな夫々自分でできる何かをしてゆくのだ

 みなさん、今回の集団断食行動は5月5日こどもの日を目標にしている。福島の36万人の子どもたち、日本全国の子どもたち、世界の子どもたち、あとからやって来る者たちのために、原発が全部止まった状態、原発ゼロの状態を、再稼働を許すことなく、こどもの日を迎えることが私たち大人がプレゼントできる最良最高の贈り物になるのではないか。

(浅井健治)
posted by weeklymds at 21:55| 報道/活動報告