2012年06月13日

イラク石油労働者弾圧をやめろ

イラク石油労働者の弾圧をやめろ、という抗議メール・キャンペーンが"LabourStart"というウェブサイト上で行われています(6月5日〜)。
http://www.labourstartcampaigns.net/show_campaign.cgi?c=1390
で、名前・メールアドレス・所属団体(なくても可)・国を記入し、メッセージを書いて(サンプルの英文をそのまま使っても可)"Send Message"をクリックすればOKです。抗議メールはイラク議会や石油省、石油会社などに届きます。

2009年夏、全交(平和と民主主義をめざす全国交歓会)大会参加のため来日し、経産省資源エネルギー庁と石油企業2社を訪れて「イラクの石油に手を出すな」と要請したアブ・ワッタンIFC(イラク自由会議)副議長(当時)も戒告と6か月の給与カットの攻撃を受けています。抗議メールにぜひご協力をお願いします。以下は同サイトのアピールの大意です。

−ここから−

イラク石油労組活動家に対する攻撃をやめろ

世界約2千万人を組織するICEM(国際化学エネルギー鉱山一般労連)と連携したキャンペーン

イラク政府当局はたびたび労働組合活動に介入している。その手段は、労組活動家に対し強制配転や降格、罰金、移動制限その他の罰則を科すというもので、これらはサダム・フセイン政権時代以来のイラク労働法・国家公務員法によって許容されてきた。労働者の諸権利の抑圧は石油部門で最も激しく、石油省は石油会社と手を取り合って上記の罰則を強行実施している。

この厳しい姿勢は、2011年4月17日イラク南部のマイサン石油会社で、会社の腐敗に反対して平和的にデモをしていた26人の労働者を逮捕したことにも示されている。デモの実施について事前に許可を得ていたにもかかわらず、石油省の調査の結果、8人の労働者が懲戒処分、残る18人にも警告が与えられた。26人全員が、同様の行動をくり返せばさらに重い処分が科せられるとの指示を受けている、2011年12月13日に会社から一人一人に届いた書簡は、同じような活動にかかわり続けるならこの労働者たちの生計は危機にさらされることになると述べていた。

さらに、2012年1月11日には第1129号調査委員会の勧告に従ってGFTUWCI(イラク労働組合労働者評議会総連合)バスラ支部副委員長のアブドルカリーム・アブドルサダ(愛称アブ・ワッタン)に戒告と6か月の給与支払い停止の処分が言い渡された。同じ調査委員会の勧告に基づき、IFOU(イラク石油労組連合)委員長のハッサン・ジュマ・アワドには3年間の降格処分が、IFOU南部石油労組執行委員でIFOU中央委員のアデル・アブードには書面による多重戒告処分が科せられ、GFTUWCI石油労組員のアブドル・カリク・ナセルは書面による警告を受けた。これら全員に「騒乱の扇動」の嫌疑がかけられている。

−ここまで−

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経産省に「イラク石油開発の違法な入札に手を貸すな」と要請するアブ・ワッタン(左、2009年7月31日)

(浅井健治)
posted by weeklymds at 16:50| 報道/活動報告

2012年06月05日

MDS集会/まとめの発言

6月2日東京、3日大阪で「原発・新自由主義・非正規労働をなくそうMDS集会」が開かれました。集会プログラムのうちMDS佐藤委員長の講演については次号に要旨を掲載しますが、それ以外は紙面の制約上取り上げることができませんでした。以下は、東京集会での高畑さんと司会のIさんのまとめの発言の一部です。とくにIさんのまとめは、これだったら誰でもMDS入ってみようかなという気にさせられるだろうと思われるセンスあふれる呼びかけでした。

◎高畑さん
 原発、がれき、非正規、オキュパイ、イラクの民主的変革―こういう運動はつながっている。それは、1%のグローバル資本の新自由主義が私たちの生活を圧迫し、命を危険にさらし、ぎりぎりの限界のところまで来ている、ということ。今の社会のシステムを変えるためには、MDSが、先ほどMDSの同盟員の方々がアピールしていたように、闘い続けていかなくてはならない。
 今の社会を変えたい、希望ある社会をつくりたい、この思いを共にし闘っていくのがMDSです。人間らしく生きる、ひとりひとりを大切にする社会をつくりたい、生きることそしてつながること、その中で新しい私たちの社会、民主的で希望ある社会をつくっていく。これがMDSです。ぜひMDSにご加入ください。

◎Iさん
 私は心配だ。いつまで元気に、例えば私自身こういう活動ができるのかと考えるし、今フル稼働で動いているMDSのみなさんのことも心配になる。そういう状況です。
 きょう初めていらっしゃってMDSに入ろうか迷われてる方にとっては、この漢字いっぱいのMDS(民主主義的社会主義運動)って何だ、原発・新自由主義・非正規労働がどうつながってるんだ、という疑問がおありになると思う。要は(横断幕上の「命」の字を指して)ここにこの三つがつながっている。命を奪われる。食わされて、飲まされて、いつの間にか空気吸わされて、仕事奪われて、買わされて、ということが全部つながるのが、この「命」という字。この対極が、ちょっと似てる漢字で「金」という字がありますね。
 MDSはモグラたたきみたいにいろいろ起きてくる問題を根本から直そうと頑張ろうとしているので、それを漢字で書くとこんな長くなってしまう。カタイなあと思われるのも仕方ないが、ぜひご自分の言葉で「私殺されてるかもしれない」とか語れるようにしながら仲間と一緒に活動していただければ、また、次のMDS集会にみんなが元気で参加できるように、休息もとりながら、ぜひ笑顔で集まれるように次回につなげていただければと思います。

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(浅井健治)
posted by weeklymds at 16:25| 報道/活動報告

2012年05月30日

人気芸人を利用した生活保護攻撃を許さない

人気お笑い芸人の母親が生活保護を受けているという女性週刊誌の報道、自民党片山さつき議員らによるバッシングを機に異常な生活保護攻撃が続いています。生活保護問題対策全国会議はこの問題で5月30日、記者会見をおこないました。以下は、会見に出席した生活保護利用当事者お二人の発言の概要です。手書きメモに基づいてまとめたので不正確な個所があり得ることをご承知ください。

なお、同全国会議からは緊急声明や「扶養義務と生活保護制度の関係の正しい理解と冷静な議論のために」という意見書が出されています。ぜひそちらもお読みください。
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-33.html
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-36.html

また、発言中にある自民党の生活保護見直し策は次のPDF参照。
http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/recapture/pdf/062.pdf

−ここから−

◎50代男性(現在受給中)

 まず思ったのは、出来レースではないかということ。自民党が保護水準の10%減額の案を出した直後。タイミングがよすぎる。
 バッシングが強くなり、偏見によって、受給者の就労に向けた出口が狭くなる。仕事を探している人たちがさらに精神的に追いつめられる。数か月前、「仕事がない」と命を絶った人がいる。普段からスーパーで買い物をするときも後ろめたさがある。さらにそういう気持ちが強くなるのかなと考える。
 (監視されていると感じる?)とくに仕事探しのとき。月に20〜30回ハローワークに行くが、面接に行ったのはたったの1回。その際も「生活保護を受けている」と言っただけで、私が犯罪者であるかのような目で見られた。「人のカネで飯を食っているような者は雇えない」と。今度のことで偏見がますます強まるのではないか。
 ある女性はふだんから引きこもりがちだが、今回のことで「私はもう表に出ない。代わりに買い物に行ってきてほしい」と。
 報道によってますます、生活保護を受けていることについて自問自答するようになる。一人きりで、相談する人もなく、仕事が見つからないと、どんどん自分を追いつめていく。受給して3年目の人があぶないという。1年目は生活は安泰になる。2年目は仕事探しで苦しむ。3年目、自問自答が始まる、「これでいいのか」と。自問しながら、どこで折れてしまうか。自ら命を絶つ人が増えるのではないか。受給者はただでさえ自殺率が高いが、それに拍車をかけるのではないかと危惧する。
 親子と言っても、いい関係ばかりとは限らない。「お前なんか死んでしまえ」と言い合うような関係もある。
 着るもの1着にも考える。何年かぶりでTシャツを買った。報道は「不正受給」ばかりクローズアップ。まじめにやっている人、就労で苦労している人の報道は聞いたことがない。そこに目を向けてほしい。
 経済的自立、「早く就職して生活保護から抜けろ」と言われるが、心の自立のほうが先だ。引きこもり、精神疾患の人、働く意欲を持てない人が多い。そういう人に今回の報道はダメージが大きい。引きこもる人はますます引きこもる。自分の価値は何だろうと考える。私だって、どこで折れるか分からない。

◎40代女性(最近まで受給していた)

 この会見に受給者が男女計4人来る予定だったが、2人が来られなくなった。人前で自分の保護受給のことを発言する−相当の勇気のある人でも、当日になると、ふとんをかぶって動けなくなる。
 私も時々体験を話すが、今回は一番きびしい。以前は、誤解を解くメッセージを発信したいと「わたしたちの声をきいてください」というチラシをつくって議員に届けたりしてきたが、ワイドショーで垂れ流し報道がされるここ1週間は精神的にきびしい。ニュースで(受給者を批判する)街の声のインタビューが流れると、外出できなくなる。
 夜10時、1時、朝4時、6時と電話してきて、「生活保護が切り下げになったらどうしよう。眠れない」と話す人もいる。
 首都圏で給付額は8万円。ガス、水道、電気、わずかな携帯代、プロバイダ料などで3万円なくなる。残り5万円で、食事の材料、トイレットペーパー、洗剤を買い、Tシャツを3か月悩んで買い、という生活。3千円財布にあれば「今週は大丈夫」という生活。生活費が1日千円を超えると、不測の事態があると対応できない。自転車がパンクしても直せない。かと言ってバスで行こうとすると高い。結局外出できない。
 保護が打ち切りになって最初に、靴下を買った。マスコミの取材を受けることはあるが、穴の開いた靴下を新しくするのにどんな苦労をするかを話す機会が与えられることはない。マスコミは列をつくるホームレスの人たちの映像は流すが、その人たちがお金を受け取った後アパートでどんな暮らしをしているかは流さない。誰も関心を持ってくれない。誰も聞いてくれない。語れる場面がない。
 嵐のような誤解の垂れ流し、偏見と差別の中では、私たちが街を歩けるようにはならない。
 受給者200万人の中には、車いすの人、チューブをさして呼吸している人、母子で赤ちゃんを一生懸命育てている人、いろんな人がいる。7割は病気や障害を持つ人たちだ。今回のことはその人たちにものすごく深い傷を与えた。家族の世話になることで苦しんできた人たちにさらに追いうちをかけた。
 (自民党案にある)現物給付など、暮らしが見えていたら、あり得ない。子どもはどんどん大きくなり、洋服を新しくしなくてはならない。ミルクから離乳食、ごはんに変わる。アレルギーのある子もいる。毎日の暮らしを営むということがどういうことか分かっていたら、絶対に現物給付など出てこないはずだ。給付された洋服を着て歩いたら、囚人服のようにあの服は生活保護だとなってしまう。
 私たちには心もあり、傷もつく。「尊厳」の言葉は使うなと言われたりするが、ここまで尊厳が踏みにじられたことに怒りを感じる。
 DV(ドメスティック・バイオレンス)被害者の場合、扶養の照会をされるだけで、相手に自分がどこにいるか分かってしまう。生活に困窮していることが知られてしまう。争っている相手から、あることないこと、自分に不利益な情報も役所に与えられてしまう。
 DV被害者は、暴力や虐待で一番弱っているときに申請に行く。扶養照会しないとダメです、と言われると、言い返せず、そういうものかと考え、申請を取り下げる方向に行く。家族から「お前なんか死ね」と言われているような中で扶養照会されるなど苦痛以外の何ものでもない。生きるための申請なのに、死ぬよりつらい選択を強いられる。
 資産調査は嫌がらせと思うほど細かく「丁寧」。子どもの貯金箱まで差し出させられる。一番さぐられたくないことにまで手を突っ込まれ、かき回される。こんなことなら路上で死ねばよかった、と思いながら、決定通知を待つことになる。
 保護の申請もできず、サラ金・ヤミ金に走る人も。不本意な仕事に就くことを余儀なくされる人も。女性の申請者に「体で稼げばいい」と言うケースワーカーは少なくない。これがまかり通るなら、暴力のもとにとどまらざるを得ず、いきなり命を絶つことにもなる。ところが、女性である小宮山大臣や片山議員が、女性への不利益がないように考えてほしいまさにその人たちが、生活保護を締め付けに来た。残念だ。
 「生活保護ってそんなにもらってるの?」と言う人がいたら、「そう言うなら、あなたこそ生活保護だよ。申請すべきだよ」と言ってあげたい。貯金があったらダメ、扶養できる親族がいたらダメ、自分が持っているものをすべて失くさなければ保護は受けられないのか。そこがなかなか分かってもらえない。
 保護が打ち切りになってから、仕事で得た収入は、手取り額は同じでも、違う。人にとやかく言われない8万円−何ものに代えがたい。壁がギュギュっと締まってくる閉塞感の中での8万円とは違う。
 私たちの暮らしに目を向けてほしい。使い回された映像を使わず、209万人の一人一人の暮らしをちゃんと見つめてほしい。

−ここまで−

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(浅井健治)
posted by weeklymds at 20:36| 報道/活動報告