2012年06月05日

MDS集会/まとめの発言

6月2日東京、3日大阪で「原発・新自由主義・非正規労働をなくそうMDS集会」が開かれました。集会プログラムのうちMDS佐藤委員長の講演については次号に要旨を掲載しますが、それ以外は紙面の制約上取り上げることができませんでした。以下は、東京集会での高畑さんと司会のIさんのまとめの発言の一部です。とくにIさんのまとめは、これだったら誰でもMDS入ってみようかなという気にさせられるだろうと思われるセンスあふれる呼びかけでした。

◎高畑さん
 原発、がれき、非正規、オキュパイ、イラクの民主的変革―こういう運動はつながっている。それは、1%のグローバル資本の新自由主義が私たちの生活を圧迫し、命を危険にさらし、ぎりぎりの限界のところまで来ている、ということ。今の社会のシステムを変えるためには、MDSが、先ほどMDSの同盟員の方々がアピールしていたように、闘い続けていかなくてはならない。
 今の社会を変えたい、希望ある社会をつくりたい、この思いを共にし闘っていくのがMDSです。人間らしく生きる、ひとりひとりを大切にする社会をつくりたい、生きることそしてつながること、その中で新しい私たちの社会、民主的で希望ある社会をつくっていく。これがMDSです。ぜひMDSにご加入ください。

◎Iさん
 私は心配だ。いつまで元気に、例えば私自身こういう活動ができるのかと考えるし、今フル稼働で動いているMDSのみなさんのことも心配になる。そういう状況です。
 きょう初めていらっしゃってMDSに入ろうか迷われてる方にとっては、この漢字いっぱいのMDS(民主主義的社会主義運動)って何だ、原発・新自由主義・非正規労働がどうつながってるんだ、という疑問がおありになると思う。要は(横断幕上の「命」の字を指して)ここにこの三つがつながっている。命を奪われる。食わされて、飲まされて、いつの間にか空気吸わされて、仕事奪われて、買わされて、ということが全部つながるのが、この「命」という字。この対極が、ちょっと似てる漢字で「金」という字がありますね。
 MDSはモグラたたきみたいにいろいろ起きてくる問題を根本から直そうと頑張ろうとしているので、それを漢字で書くとこんな長くなってしまう。カタイなあと思われるのも仕方ないが、ぜひご自分の言葉で「私殺されてるかもしれない」とか語れるようにしながら仲間と一緒に活動していただければ、また、次のMDS集会にみんなが元気で参加できるように、休息もとりながら、ぜひ笑顔で集まれるように次回につなげていただければと思います。

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(浅井健治)
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2012年05月30日

人気芸人を利用した生活保護攻撃を許さない

人気お笑い芸人の母親が生活保護を受けているという女性週刊誌の報道、自民党片山さつき議員らによるバッシングを機に異常な生活保護攻撃が続いています。生活保護問題対策全国会議はこの問題で5月30日、記者会見をおこないました。以下は、会見に出席した生活保護利用当事者お二人の発言の概要です。手書きメモに基づいてまとめたので不正確な個所があり得ることをご承知ください。

なお、同全国会議からは緊急声明や「扶養義務と生活保護制度の関係の正しい理解と冷静な議論のために」という意見書が出されています。ぜひそちらもお読みください。
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-33.html
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-36.html

また、発言中にある自民党の生活保護見直し策は次のPDF参照。
http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/recapture/pdf/062.pdf

−ここから−

◎50代男性(現在受給中)

 まず思ったのは、出来レースではないかということ。自民党が保護水準の10%減額の案を出した直後。タイミングがよすぎる。
 バッシングが強くなり、偏見によって、受給者の就労に向けた出口が狭くなる。仕事を探している人たちがさらに精神的に追いつめられる。数か月前、「仕事がない」と命を絶った人がいる。普段からスーパーで買い物をするときも後ろめたさがある。さらにそういう気持ちが強くなるのかなと考える。
 (監視されていると感じる?)とくに仕事探しのとき。月に20〜30回ハローワークに行くが、面接に行ったのはたったの1回。その際も「生活保護を受けている」と言っただけで、私が犯罪者であるかのような目で見られた。「人のカネで飯を食っているような者は雇えない」と。今度のことで偏見がますます強まるのではないか。
 ある女性はふだんから引きこもりがちだが、今回のことで「私はもう表に出ない。代わりに買い物に行ってきてほしい」と。
 報道によってますます、生活保護を受けていることについて自問自答するようになる。一人きりで、相談する人もなく、仕事が見つからないと、どんどん自分を追いつめていく。受給して3年目の人があぶないという。1年目は生活は安泰になる。2年目は仕事探しで苦しむ。3年目、自問自答が始まる、「これでいいのか」と。自問しながら、どこで折れてしまうか。自ら命を絶つ人が増えるのではないか。受給者はただでさえ自殺率が高いが、それに拍車をかけるのではないかと危惧する。
 親子と言っても、いい関係ばかりとは限らない。「お前なんか死んでしまえ」と言い合うような関係もある。
 着るもの1着にも考える。何年かぶりでTシャツを買った。報道は「不正受給」ばかりクローズアップ。まじめにやっている人、就労で苦労している人の報道は聞いたことがない。そこに目を向けてほしい。
 経済的自立、「早く就職して生活保護から抜けろ」と言われるが、心の自立のほうが先だ。引きこもり、精神疾患の人、働く意欲を持てない人が多い。そういう人に今回の報道はダメージが大きい。引きこもる人はますます引きこもる。自分の価値は何だろうと考える。私だって、どこで折れるか分からない。

◎40代女性(最近まで受給していた)

 この会見に受給者が男女計4人来る予定だったが、2人が来られなくなった。人前で自分の保護受給のことを発言する−相当の勇気のある人でも、当日になると、ふとんをかぶって動けなくなる。
 私も時々体験を話すが、今回は一番きびしい。以前は、誤解を解くメッセージを発信したいと「わたしたちの声をきいてください」というチラシをつくって議員に届けたりしてきたが、ワイドショーで垂れ流し報道がされるここ1週間は精神的にきびしい。ニュースで(受給者を批判する)街の声のインタビューが流れると、外出できなくなる。
 夜10時、1時、朝4時、6時と電話してきて、「生活保護が切り下げになったらどうしよう。眠れない」と話す人もいる。
 首都圏で給付額は8万円。ガス、水道、電気、わずかな携帯代、プロバイダ料などで3万円なくなる。残り5万円で、食事の材料、トイレットペーパー、洗剤を買い、Tシャツを3か月悩んで買い、という生活。3千円財布にあれば「今週は大丈夫」という生活。生活費が1日千円を超えると、不測の事態があると対応できない。自転車がパンクしても直せない。かと言ってバスで行こうとすると高い。結局外出できない。
 保護が打ち切りになって最初に、靴下を買った。マスコミの取材を受けることはあるが、穴の開いた靴下を新しくするのにどんな苦労をするかを話す機会が与えられることはない。マスコミは列をつくるホームレスの人たちの映像は流すが、その人たちがお金を受け取った後アパートでどんな暮らしをしているかは流さない。誰も関心を持ってくれない。誰も聞いてくれない。語れる場面がない。
 嵐のような誤解の垂れ流し、偏見と差別の中では、私たちが街を歩けるようにはならない。
 受給者200万人の中には、車いすの人、チューブをさして呼吸している人、母子で赤ちゃんを一生懸命育てている人、いろんな人がいる。7割は病気や障害を持つ人たちだ。今回のことはその人たちにものすごく深い傷を与えた。家族の世話になることで苦しんできた人たちにさらに追いうちをかけた。
 (自民党案にある)現物給付など、暮らしが見えていたら、あり得ない。子どもはどんどん大きくなり、洋服を新しくしなくてはならない。ミルクから離乳食、ごはんに変わる。アレルギーのある子もいる。毎日の暮らしを営むということがどういうことか分かっていたら、絶対に現物給付など出てこないはずだ。給付された洋服を着て歩いたら、囚人服のようにあの服は生活保護だとなってしまう。
 私たちには心もあり、傷もつく。「尊厳」の言葉は使うなと言われたりするが、ここまで尊厳が踏みにじられたことに怒りを感じる。
 DV(ドメスティック・バイオレンス)被害者の場合、扶養の照会をされるだけで、相手に自分がどこにいるか分かってしまう。生活に困窮していることが知られてしまう。争っている相手から、あることないこと、自分に不利益な情報も役所に与えられてしまう。
 DV被害者は、暴力や虐待で一番弱っているときに申請に行く。扶養照会しないとダメです、と言われると、言い返せず、そういうものかと考え、申請を取り下げる方向に行く。家族から「お前なんか死ね」と言われているような中で扶養照会されるなど苦痛以外の何ものでもない。生きるための申請なのに、死ぬよりつらい選択を強いられる。
 資産調査は嫌がらせと思うほど細かく「丁寧」。子どもの貯金箱まで差し出させられる。一番さぐられたくないことにまで手を突っ込まれ、かき回される。こんなことなら路上で死ねばよかった、と思いながら、決定通知を待つことになる。
 保護の申請もできず、サラ金・ヤミ金に走る人も。不本意な仕事に就くことを余儀なくされる人も。女性の申請者に「体で稼げばいい」と言うケースワーカーは少なくない。これがまかり通るなら、暴力のもとにとどまらざるを得ず、いきなり命を絶つことにもなる。ところが、女性である小宮山大臣や片山議員が、女性への不利益がないように考えてほしいまさにその人たちが、生活保護を締め付けに来た。残念だ。
 「生活保護ってそんなにもらってるの?」と言う人がいたら、「そう言うなら、あなたこそ生活保護だよ。申請すべきだよ」と言ってあげたい。貯金があったらダメ、扶養できる親族がいたらダメ、自分が持っているものをすべて失くさなければ保護は受けられないのか。そこがなかなか分かってもらえない。
 保護が打ち切りになってから、仕事で得た収入は、手取り額は同じでも、違う。人にとやかく言われない8万円−何ものに代えがたい。壁がギュギュっと締まってくる閉塞感の中での8万円とは違う。
 私たちの暮らしに目を向けてほしい。使い回された映像を使わず、209万人の一人一人の暮らしをちゃんと見つめてほしい。

−ここまで−

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(浅井健治)
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2012年05月07日

杉並「祝!原発ゼロパレード」

日本の全原発が止まった翌5月6日、脱原発杉並デモ「祝!原発ゼロパレード」がありました。以下は、出発地の東高円寺・蚕糸の森公園で、「原発やめろデモ!!!!!!」呼びかけ人のリサイクルショップ「素人の乱」5号店店主、松本哉(はじめ)さんがおこなったスピーチです。

−ここから−

 やあ、みなさん、おめでとうございます。(拍手、歓声)
 思い起こせば、去年4月10日に高円寺でデモをやったが、あの時は非常に心細かった。大爆発するわ、放射能来るわでもう。謎の自粛ムードみたいで誰も「原発冗談じゃねぇ」とか言う雰囲気でもなく、みんなこれ反対する人いねぇんじゃないかというぐらいだったが、高円寺で実際デモをやってみたらめちゃくちゃ人が来て、とんでもないことになって。そこからいろんな人も反対し始めたり、いろんな人もデモをやったりとかどんどん出てきて、何だ実は結構同じことを考えてた人いっぱいいたんじゃないかと思いました。
 それでデモが連発する、いろんな人がデモをやる。すごいことになって、政府の方もなかなか動かせずに、今日に至ってなんと原発が全部ゼロになった、と。(拍手) ほんとすげぇいいなぁ、と思って。それでまたこの杉並で、きのう原発がゼロになったあとに祝賀パレードを行なうっていうのはすごいめでたいことだなあ、と思って。今日は盛大にやっていきたいなと思います。(歓声)
 たしかに政府はいまだに原発を動かそうなんてとんでもないことを考えてるが、世論調査では8割が反対してる。ということは、だいたい1億人が反対してるということですよね。1億人が反対してるのに原発をまだ動かそうなんてのはとんでもない話なんですけど、そういうやつらがいて動かそうとしてるのはしてるかもしれないが、やっぱりここは勝ちは勝ちだと思う。いろんなデモがあったり世論が動いたおかげで原発が止まったという現状がある。
 まあ完全な勝ちじゃないけども、かなり一定の勝利を収めてると思います。これは野球で言えば、たぶんリーグ優勝ぐらいまで行ってる。(笑) あとは日本シリーズが残ってるが、最後の日本シリーズの優勝まで行かないでも、とりあえずリーグ優勝の段階で盛大に祝っとかなきゃいけないんじゃないか。ビール掛けとかいろいろやれればいいかな、と。これは盛大に、おめでとうございますという感じでやっていきたいと思います。(拍手)
 今日、紋付きで来たが、俺きのうの夜に店番しながら友達と「いやぁ明日めでたいから紋付き袴で行きたいよな。でも買ったら10万とかするから買えないよな。どっかねぇかな」って話してたら、お客さんで棚を買いに来たおばちゃんが「そんな高いカネ出さなくていいわよ。何とか探してあげるから」とか言って必死に探しくれて。走り回って今日の早朝に電話かかってきて「見つけたよ」とか言って。(笑) 「今から店に持ってく」。俺もすぐ店に行って着方とか教えてもらって、近所のおばちゃんに着方どうやるんですかって聞いたりとか。そういうふうにして何とかなるという、この杉並というか高円寺というかこの辺の街っていうのはちょっと異常だなというのはある。(笑) でも、そういういろんな人が集まってみんなで知恵をしぼって何とかしていくというところで前に進むことができるという意味ではすごくいい街だったりする。そういうものを積み重ねることによって、原発みたいなろくでもないものに頼らなくても済むような世の中がやってくるんだと思う。
 ということで、杉並こそ、景気よくお祝いをして、もう二度と原発を作らないでそのまま廃炉にしてってくれと訴えるには最適なんじゃないかと思う。
 みなさん、がんばりましょう。(拍手、歓声)

ーここまでー

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なお、杉並では、「デモに参加したよ」と言えばツマミ5品までオール50円引きとか、原発廃炉まで1杯目のワイン無料といった「デモ割」と称するサービスを20店舗で提供しているとのこと。

5・6デモの呼びかけ文などは
http://uzomuzo.com/
から。

[浅井健治]
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2012年04月23日

経産省前ハンスト会見写真

記者会見での黒田節子さん、中嶌哲演さんです。(4月17日、経産省前テントひろば)
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(浅井健治)
posted by weeklymds at 23:08| 報道/活動報告

経産省前ハンスト:黒田節子さん、中嶌哲演さん

 経産省前テントひろばの集団ハンスト初日、4月17日におこなわれた記者会見での原発いらない福島の女たち・黒田節子さん、福井県小浜市明通寺住職・中嶌哲演さんの発言を紹介します。

◎黒田節子さん

 中嶌哲演さんの3月25日の突然のハンスト宣言を聞き、福島の私たちも何とかつながりたいと思った。非暴力で平和裏に、原発のない社会を夢見ながら、そしてそのことを実際にどうやって道筋をつけていったらいいか私たちは日々考えていた。哲演さん、70歳にして本当にご苦労さまでした。
 私たちは哲演さんが終了された3月31日から最初は4月いっぱいの予定でしたが、5月5日までやります。すでに昨日段階で100人以上がリレーでつながってくださっている。南は熊本、北は北海道、海外でもアメリカをはじめとして今まで会ったこともない人たちだが、少なくとも名前と住所を言ってくださった方だけでも100人の方がエントリーして今もハンストが続けられている。
 ハンストは女たちにとってはダイエットにもなるが、楽しいことがいっぱいある。脱原発社会を夢見ながらやれる。今まで会えなかった人と具体的につながっていくことができる。楽しみながらやっている感じです。
 今度、男テントで本当の断食、ほんとに命をかけた断食が始まるというのでまた福島からかけつけてきた。
 みなさん、脱原発社会を夢見て、夢見てでなくて、本当に近づけるために、再稼働絶対阻止。福島は今でも被曝しています。子どもたちを助けてください。

◎中嶌哲演さん

 3月25日の700人全国各地からお集まりいただいた福井での集会のときにあいさつしたもの、断食宣言を行なったときの文書の一部を読み上げたい。
 昨年の福島原発震災以来、地元という概念が厳しく問い直されている。福島原発10基の地元が浜通り、若狭の原発15基が敦賀や美浜などに決して限られていたのではない。新たに拡大された30キロ圏内にもとどまらない。もともと福島原発の真の地元は関東首都圏にあったのであり、若狭原発のそれは関西大都市圏にあり続けてきたのではないか。
 いわゆる安全神話も昨年3月に崩壊したのではなく、福島や若狭に最初の1基が押しつけられたときすでに、原理的にも現実的にも自らを否定していたのではないか。
 広瀬隆さんは81年に『東京に原発を』という原発関連の処女作を発表した。原発の安全神話と必要神話を根源的に問うタイトル。それ以来、交流を重ねている。
 大飯原発3、4号機の再稼働が一点突破されれば、各地の原発群がなし崩しに再稼働され、延命が図られていくだろう。近未来に国内の原発が全面停止するのは、第2の福島が続発するときであることは容易に想像できる。
 かつて国策として戦争を推進した軍国主義政権は、沖縄、広島、長崎、大空襲もあったが、そういう過酷な犠牲のあとに初めて敗戦を決断せざるを得なかった。
 巨大な原子力ムラの一角を担う現政権も福島だけではまだ懲りていないのか。私たち国民もあの一億総懺悔の日を座して待つのだろうか。若狭原発震災の前夜、これは地震学者石橋克彦さんの警告です。第2の福島、日本滅亡、広瀬さんの最新の著書のタイトル。こういう警鐘が今鳴り響いているんです。私たちは断じて大飯3、4号機の再稼働を認めることはできません。
 現在、国会など3つの福島事故調査委員会と今後のエネルギー原発政策の根幹にかかわる議論を行なっている国レベルの3つの協議会がそれぞれこの夏をめどに結論を出そうとしている。原発の再稼働はそもそも本当に必要なのかという意味を考えていただく上でも国民的な規模でこの際集中してこの論議に関与していくべきではないか。
 さて、みなさん、先月25日から31日まで私は福井の県庁ロビーの中で断食した。今日は今朝から昼食と夜、3食だけで申し訳ないが、1日断食を行なう。この40年あまり、好むと好まざるとにかかわらず若狭が原発との共存・容認を余儀なくされている間に、私自身に生じたゆがんだ骨格をただし、贅肉をとり、濁った血液を浄化し、乱れがちの呼吸を整えるためでもある。少欲知足の精神をいささかなりとも体感したい。
 このあいだの1週間も、今日の1日も私は苦行としてやっているのではない。黒田さんがいみじくもおっしゃったように、さまざまな夢、喜びも同時に噛みしめながら行なっていく。
 何よりもあの東北の大地震、大津波、福島原発震災の犠牲になり被災されたすべての人々、生きとし生けるものに思いを寄せつつ、若狭にもまたどこにも大震災である原発震災を連発させないよう祈念し、先にのべた要望と行動の広がりを訴えたいと願う。
 広島原発120万発分の死の灰、新たなヒバクシャである48万人もの被曝労働者たち、原発震災の最大の災害弱者たる福島県の36万人の子どもたち、をすでに生み出してしまった国内54基の原発、子どもたち若者たちに私は心から詫び、許しを乞いながら、切なる希望をも伝えたい。このまま若狭の原発を止め続けられたら、お金や形に代えられない深い安心と安全を取り戻せるでしょう。美しい若狭の海と浜辺と豊かな海の幸を再生できるでしょう。穏やかで奥深い若狭の歴史と文化を再発見しましょう、と。
 これまでも小浜市民会議や福井県民会議のビラの中で、また各地でたびたび紹介してきた1編の詩を読み上げて私のあいさつとする。あとからくる者のために。知る人ぞ知る、宗教界とくに仏教界ではよく知られている坂村真民さんの詩です。

あとからくる者のために
苦労するのだ
我慢するのだ
田を耕し
種を用意しておくのだ

あとからくる者のために
しんみんよお前は
詩を書いておくのだ

あとからくる者のために
山を川を海を
きれいにしておくのだ

ああ後からくる者のために
みんなそれぞれの力を傾けるのだ

あとからあとから続いてくる
あの可愛い者たちのために
未来を受け継ぐ者たちのために
みな夫々自分でできる何かをしてゆくのだ

 みなさん、今回の集団断食行動は5月5日こどもの日を目標にしている。福島の36万人の子どもたち、日本全国の子どもたち、世界の子どもたち、あとからやって来る者たちのために、原発が全部止まった状態、原発ゼロの状態を、再稼働を許すことなく、こどもの日を迎えることが私たち大人がプレゼントできる最良最高の贈り物になるのではないか。

(浅井健治)
posted by weeklymds at 21:55| 報道/活動報告

2012年04月10日

命をお金で買うことはできない

きのう紹介したCalle 13の"Latinoamérica"の日本語訳ですが、"Tú"を「君が」と訳すのはこの場合ふさわしくないという指摘がありました。「ペルー留学雑記帖」というブログに、次のような訳が載っています。こちらの方がよく伝わります。

この大地に吹く風をお金で買うことはできない
この大地を照らす太陽をお金で買うことはできない
この大地に降り注ぐ雨をお金で買うことはできない
この大地を覆う雲をお金で買うことはできない
この大地を彩る色をお金で買うことはできない
わたしの喜びをお金で買うことはできない
わたしの悲しみをお金で買うことはできない
わたしの命をお金で買うことはできない

また、Calle 13は"カジェ・トレセ"とも発音するようです。

(浅井健治)
posted by weeklymds at 13:47| 報道/活動報告

2012年04月09日

カイエ・トレセ『ラテンアメリカ』

きのう夜、新宿のカフェ・ラバンデリアで行われたイベント「21世紀のドン・キホーテ〜見果てぬ夢を盾に抵抗する仲間たち」に参加し、スペイン「怒れる者たち」の5月15日運動"!Democracia real YA!(真の民主主義を今こそ!)"と共鳴し合うプエルトリコの音楽グループ"Calle 13(カイエ・トレセ=13番通り)"の『Latinoamérica(ラテンアメリカ)』を教えていただきました。以下のユーチューブ・サイトで英語の字幕付きで聞けます。
http://www.youtube.com/watch?v=OPETa8H7748

昨年12月3日、アメリカとカナダを除く米州33か国が参加する新地域機構「ラテンアメリカ・カリブ海諸国共同体(CELAC)」が発足した際、記念コンサートで演奏されたそうです。

日本語訳は
http://ramonbook.wordpress.com/2011/12/17/latinoamerica/

「君が風を買うことはできない
君が太陽を買うことはできない
君が雨を買うことはできない
君が熱を買うことはできない
君が雲を買うことはできない
君が色を買うことはできない
君が私の喜びを買うことはできない
君が私の痛みを買うことはできない

君が私の命を買うことはできない
私の大地は売り物ではない」
の詞に心を揺さぶられます。

(浅井健治)
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2012年01月05日

ストレステスト意見聴取会を監視しよう

原子力安全・保安院が開いているストレステスト意見聴取会の記事を1214号に掲載しました。
http://www.mdsweb.jp/doc/1214/1214_67s.html

この記事は紙面の制約で短縮されています。短縮前の原稿は以下の通りです。「技術」と「価値判断」をめぐる論争などにも触れていますので、こちらもぜひお読みください。

なお、この日の議論全体の動画記録を以下のサイトで見ることができます。3時間以上ありますが、最初の3分の1がとくに重要な部分です。
http://vimeo.com/34137834

−ここから−

【ストレステスト意見聴取会/再稼働のアリバイ作りは許さない】
 原発再稼働の条件とされるストレステスト(耐性検査)について専門家の意見を聞く原子力安全・保安院主催の意見聴取会が12月22日、経済産業省内で開かれた。
 聴取会は11月14日に始まり、この日は第5回。委員11人のうち反原発の立場を明確にしているのは、井野博満・東大名誉教授(柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会代表)と後藤政志・芝浦工大非常勤講師(元東芝原子炉格納容器設計者)の2人だけだ。
 進行役の岡本孝司委員(東大工学研究科原子力専攻教授)が「原子炉の安全性の総合的評価を示すことがわれわれの使命」と切り出したのに対し、井野委員が問う。「福島の事故を津波の影響だけでなく地震の影響についてもきちんと検証することが前提ではないか。そのこと抜きにストレステストの意味はない。そんなことで運転再開に結びつけてはならない」
 推進派の委員は「福島の検証は時間とマンパワーがかかり、消化不良になる」。これに対して後藤委員は「多重防護が破られるおそれこそ重視すべきだ。原子力業界の中にいた人間が同じ考え方で調査して事故が防げるなんて誰も信じない」と福島事故の徹底検証と責任追及の重要性を強調。しかし、岡本委員は「地震についてはほぼ大丈夫だったとの報告がすでに出ている」、別の推進派委員も「意見聴取会が早期に結論を出すことが社会の要請」と審議を急ぐ。井野委員は「何が社会の要請なのか。原発を再開することか、原発をやめることか。明らかな社会の要請は、安全性を十分議論しろということ。時期を区切るべきではない」と反論した。
 岡本委員は「この会の役割は事業者が行なった評価の妥当性を技術的側面から判断すること」と繰り返す。井野委員は「技術とは何か。技術は社会の中に存在している。技術と価値判断を切り離し、技術の名で価値判断を封じることはやめよ」と批判。傍聴席から「その通り」「どこが総合的評価だ」「公正に議事進行しろ」のヤジが飛ぶ。「不規則発言はおやめください」と制止する岡本委員は、「不規則なのはあなただ」と切り返された。
 結局、議題として予定されていた2事業者のストレステスト報告のうち、関西電力大飯3・4号機に関する質疑が途中まで進んだだけで、北海道電力泊1号機については事業者の説明にさえ入れなかった。井野、後藤両委員の奮闘が聴取会の審議を大きく遅らせている。
 この日、保安院が資料として提出した井野委員の質問書には、白抜きされた個所があった。削除されたのは、聴取会に出席したJNES(原子力安全基盤機構、原発の検査を行なう独立行政法人)職員のうち三菱重工OBであることが知られている3人の名前と、聴取会委員の1人が三菱重工の関連企業から3千万円以上の研究費を受け取っていたとする報道。いずれも、原発を作った側が原発を検査する側に回り、安全審査の公正性・中立性など成り立たない事実を裏付ける情報だ。それを保安院は隠ぺいした。ストレステストの欺瞞性がここにも示されている。意見聴取会の傍聴体制を強め、井野・後藤両委員を激励し、再稼働のアリバイ作りをつぶそう。

−ここまで−

(浅井健治)
posted by weeklymds at 11:36| 報道/活動報告

2011年11月28日

ギリシャ:監査に立ち上がる市民たち

第1208号の主張「韓国『希望のバス』の勝利/『99%』が世界を変える」で、ギリシャの公的債務監査委員会の取り組みを短く紹介しました。
http://www.mdsweb.jp/doc/1208/1208_01a.html

監査に立ち上がった市民の動きを記録した映像を、NHKのBS世界のドキュメンタリーのサイトで無料で見ることができます。12月14日午前0時まで。
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/111107.html

以下、同サイトの解説です。

−ここから−

ギリシャ 財政破綻への処方箋〜監査に立ち上がる市民たち〜

ギリシャの債務問題が、欧州のみならず全世界に深刻な影響を与えるのではと懸念されている。IMFの主導による従来の解決策では立ち行かないと考える専門家や有識者のインタビューをもとに、ギリシャ経済再建への新たな処方箋を模索する動きを伝える。

番組は、ギリシャの債務増加の歴史をたどると共に、EU内でドイツのような勝ち組と、PIIGSと蔑まれる周辺国の競争力に大きな格差が生まれた理由を説明する。

また、アルゼンチンの前例から、IMFによる緊縮財政の推進は、銀行や大企業の借金を国民に付け替えるものだと指摘。一方、石油収入が債務返済に消えていたエクアドルは、IMFと決別。国の借金のうち国民の恩恵につながらず、役人や貸し手の利益に資しただけのものについて、返済停止を宣言したことによる成果を紹介する。

ギリシャでも、さまざまな社会団体、ジャーナリスト、知識人、芸術家など多方面から一般市民が集まり、不当債務をあぶりだすための監査委員会が発足。その活動を描く。

原題:Debtocracy
制作:BitsnBytes (ギリシャ 2011年)
公式サイト(英語):http://www.debtocracy.gr/indexen.html

−ここまで−

(浅井健治)
posted by weeklymds at 20:54| 報道/活動報告

2011年11月15日

区域外避難への賠償指針で前進

国が定めた避難区域外から避難した人々への賠償問題で、原子力損害賠償紛争審査会は11月10日、避難した人も避難せずに残った人も賠償対象とする方向で合意しました。実際に賠償が支払われたわけではなく、賠償の指針がそうなったというだけなので、決して手放しでは喜べませんが、「残った人も対象」とした点を含めて一歩前進であることは間違いでしょう。

この流れを作ったのは、前回10月20日の審査会で区域外避難者自らが訴えたことです。その様子については1205号の記事になっています。
http://www.mdsweb.jp/doc/1205/1205_45g.html

しかし、これは実は紙面の制約でだいぶ短縮したものです。短縮前の記事を以下に貼り付けました。福島市長までが「自主」避難への補償を求めていることなども分かると思います。

−ここから−

【「避難の権利認めよ」―区域外避難者が審査会で訴え】

 10月20日、文部科学省内で開かれた原子力損害賠償紛争審査会で、国が指定した避難区域外から避難した住民が「避難の権利を認めてほしい」と直接訴えた。区域外避難者(いわゆる「自主的」避難者)への賠償問題は当初、議題にさえ上っていなかったが、15回目の審査会で初めてヒアリングが実現。能見善久・審査会会長から、区域外避難も賠償の対象とする見解を引き出した。
 自主的避難はこの日の審査会の最後の議題。審査会委員に対する「説明者」として、瀬戸孝則・福島市長、いわき市の渡辺淑彦弁護士、子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの中手聖一代表と宍戸隆子さんの4人が意見を述べた。

 瀬戸・福島市長は「福島市は低線量の被曝地帯。薄くても放射能は怖いものであり、避難したいという人をとどめることはできない。自主避難した人にも補償を。同時に、避難したくてもできず残っている家庭も区別しないでほしい」と要望した。経済の崩壊を避けるためとして除染を優先させている福島市だが、市民の避難の権利を否定することはできなかった。

 渡辺弁護士は、先だつ議題で賠償の状況について説明した東京電力幹部の姿勢に激しい怒りをぶつけた。「あの緊張感のなさは何だ。そもそもなぜ賠償請求書を被害者に書かせるのか。交通事故の示談でさえ加害者の側から示談案を持ってくることから始まる。ところが、東電は『書類を出さなきゃカネは出さない。書いてみろ』という態度だ。再考を求める」

 子ども福島の中手代表は、避難の時期によって賠償の線引きを図ろうとする動きを「避難の決断に影響を与えた出来事はずっとつながっている。境目はつけられない」と批判。「専門家でさえ正しい答えを出せないのに、親であるわれわれが答えを出さなくてはならなかった。安全側に立って判断しようと考えるのは当然ではないか。事故前からあった法令や基準、公衆の被曝限度や放射線管理区域の線量も、避難の合理性を示している」と指摘し、「避難する者、とどまる者―地域のきずなは引き裂かれた。せめて賠償だけでも、きずなを裂くのではなくもう一度結び合えるよう、可能な限り幅広くという考え方で議論を」と求めた。

 宍戸さんは札幌市に避難している。避難先の団地には160世帯、500人を超える区域外避難者が暮らす。「シングルマザーが多く、経済的に苦しい。北海道に避難したその日から就職を探していた人も。自主避難者はお金に余裕がある人、というのは違う。命を守る一点で避難を決めたんです」。宍戸さんは避難者の自治会を立ち上げた。「皆さん福島でとても傷ついて出てきたと知ったから」だ。コミュニティがばらばらにされた。避難を口にしただけで「何を考えている」「頭がおかしいんじゃないか」と言われた。実の親や夫も「国の言うことに逆らうのか」。「非国民」のレッテルまで貼られた。「それでも命を守りたかった。そこをくんでください」と訴える。
 区域外避難者への補償実現は金銭的次元にとどまらない意義を持つ。宍戸さんはそのことを強調した。「福島にいるお母さんたちと話すと、『国がうんとさえ言ってくれれば私も避難できるのに』『あと少し援助があれば私も飛び立てるのに』と言う。自主避難の補償それ自体が避難の権利を認めること。福島に残る人全員が避難を望んでいるとは思わない。でも、避難する権利、命を守りたいという権利は認めてほしい」
 住んでいたところは農業地帯。おいしいものを作ろうとみな頑張っていた。「北海道でいつもの半値というモモを見て悲しくなった。福島の生活は成り立たない。私は自主避難者の権利と合わせて福島県全体の補償を求める」。宍戸さんはそう締めくくった。

 4人の発言を聞いていた審査会委員からは避難の不可避性を否定する意見は出ず、能見会長は「よく噛みしめながら検討したい。自主的避難は賠償に値する一つの大きなグループ。残っている人たちの賠償の問題と同時に解決していきたい」とまとめた。

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(浅井健治)
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