2019年10月17日

週刊MDS紙面の金城実さん

以下は、週刊MDSウェブに全記事をアップしていなかった時期の、沖縄の彫刻家・金城実さんが登場する記事をデータベースから転載したものです。

【2010年4月16日 第1129号 防衛省前で抗議行動 基地はどこにもいらない! 普天間基地の無条件返還を 県民大会に連帯行動】
 鳩山政権の新基地建設案を封じ込める闘いは大きな山場を迎えている。
 名護市辺野古で続けられている座り込み行動と連帯して毎月行なわれる防衛省前の抗議行動(主催・辺野古への基地建設を許さない実行委員会)。4月5日には市民ら100人が集まり、「普天間の無条件返還をアメリカに要求せよ」「勝連沖も陸上案も徳之島も許さない」と力のこもったシュプレヒコールが繰り返された。
 翌6日からは首相官邸前で鳩山首相の「最低でも県外」の公約履行を求めてウチナンチュ(沖縄県人)が4日間の座り込み行動に入る。その呼びかけ人の一人、読谷村議の知花昌一さんの発言に大きな拍手が起こった。
 「95年の少女暴行事件など、沖縄の怒りを受けて負担を軽減すると言いながら、基地機能は強化され続けている。今、このチャンスを逃しては基地をなくすことはできない。25日には、読谷村で10万人の県民大会を成功させ沖縄の怒りを突きつける。その前に県内移設案が発表されるのを食い止めるため、座り込みにぜひ参加してほしい」

 同じく呼びかけ人の彫刻家・金城実さんは「皆さんが毎月ここで行動を続けてこられたことに勇気づけられている。新たな県内移設を許すことは、(薩摩の侵攻、廃藩置県、日本返還に次ぐ)4度目の琉球処分。沖縄県民はずっとだまされ捨て石にされてきた。防衛省、よく聞いておけ。いかにおとなしい沖縄人でもこれ以上の不当な弾圧、人権切り捨てに黙ってはいない」と、防衛省に向かって怒りをぶつけた。
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 WWF(世界自然保護基金)ジャパンの花輪伸一さんもかけつけた。「4・25県民大会に合わせて、東京でもノー・ベース・オキナワの人文字行動を取り組む」と沖縄の闘いへの連帯を訴えた。

 防衛省に対して、金城さんに続いてSDCC(ジュゴン保護キャンペーンセンター)の代表が要請。「キャンプシュワブ陸上案も、勝連半島沖の埋め立て案も、サンゴや海草を死滅させジュゴンの海を死の海に変える」と普天間基地の即時閉鎖とジュゴン保護区の設置を求めた。

◎ウチナンチュ 官邸前座り込み

 4月6日、金城実さんや知花昌一さんら、ウチナンチュが首相官邸前で座り込みを始めた。
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 それぞれが座り込みへの思いを述べ、国会議員などの連帯アピールが続く。その後、金城さんらは首相宛て要請書を携えて内閣府へ。内閣府職員は当初、敷地の外で応対した。「沖縄では米軍司令官でさえ施設の中に迎え入れて抗議や要請を受ける」「恥ずかしくないのか」と抗議。職員は庁舎内に戻り、十数分後、上司が「事前の連絡がなかったので」と言い訳しつつ、庁舎1階の応接室に要請団全員を受け入れた。(詳報次号)
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【2010年4月23日 第1130号 沖縄県民をなめるな 首相官邸前・国会前で座り込み】
 基地撤去の沖縄の声を届けようと、彫刻家の金城実さんらウチナンチュ(沖縄県人)6人が呼びかけて4月6日から9日まで首相官邸前と国会前で座り込みが取り組まれた。4日間で延べ千百人が行動を共にした。

 スタートの6日。「ウチナンチュをなめるな」の横断幕を掲げ、発言が続く。
 金城実さんは「今の政府はしかと認識せよ。400年前の薩摩による処分、1871年の廃藩置県という名の処分。返還の時には密約事件。第4回の琉球処分をするつもりなのか。沖縄の人間をなめとる。新しい政権は甘く見たらいかん。沖縄がこれであきらめると思ったら大間違いだ」。読谷村で農業に従事する知花盛泰さんは「51年前、宮森小学校に米軍機が突っ込み、17人が亡くなった。それが沖縄の現実だ。今の案は県内たらい回し。狭い沖縄には基地を作らせる場所はどこにもない。基地は県民を守っていない。アメリカの基地はアメリカに持っていけと訴えたい」。
 山内徳信参院議員は「沖縄の怒りはついに総理官邸の前に結集した。なぜここまでしなければ政府は沖縄の声を聞かないのか。鳩山総理、当時の代表は沖縄県民に約束した。アメリカに持って帰れと交渉すべきだと。官邸ののど元で訴えよう」とアピール。
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 最終日の9日は国会前で沖縄上京団を先頭に座り込んだ。
 上京中の伊波洋一宜野湾市長が飛び入りでマイクを握った。「06年に合意したロードマップでは普天間のヘリ37基のうち12基が岩国、残りの25基がグアムに移るはずだった。そもそも海兵隊は沖縄や日本を守る軍隊じゃない。沖縄に海兵隊の基地を作る必要性はどこにもない。撤去しかない」と励ました。

 上京団の宿泊場所を提供した日本山妙法寺の武田隆雄さんは「普天間は沖縄だけの問題ではなく、イラクやアフガンに人殺しに行く基地であり、私たちの問題だ」。イラク戦争の検証を進めるネットワークの志葉玲さんは「今日、鳩山首相に検証委員会設置を求める100人の国会議員の署名を渡した。イラク戦争に果たした沖縄の検証を含めて真実を明らかにさせたい」。参加者が共通に訴えるのは、基地はどこにもいらない、だ。
 4月25日には沖縄で10万人規模の県民大会が計画されている。「本土から大挙して参加しよう」「この日に全国各地で同時に集会を持とう」など連帯の声が相次いだ。沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、東京沖縄県人会は同日同時刻に社会文化会館で集会を開く。夜は明治公園で人文字集会が計画されている。
 締めくくりは首相官邸前に移動し抗議。読谷村の知花昌一村議が決意を述べた。「辺野古はまだ杭1本も打たせていない。沖縄のどこにも基地は作らせない。体を張って阻止する。島ぐるみの闘いがアメリカではなく日本政府相手に起こる。そうならないために無条件で基地は撤去すべきだ。闘いはこれからだ」

【上記座り込み時の金城実さん発言の詳細 取材メモより】
 沖縄の人は中央の日本政府の動きには敏感だ。知識や情報ではなく、歴史を背負って差別と不当な仕打ちを受けてきて、肌で、匂いで感じている。触覚で、見つめている。
 今の政府はしかと認識をせよ。400年前の薩摩による処分、1871年の廃藩置県という名の第2の処分。返還の時には密約事件。西山記者は一生を棒に振った一方で、佐藤栄作はノーベル平和賞をもらってあの世へ行った。第4回の琉球処分をするつもりなのか。口先だけでかわいそうとか負担軽減とか言う。青い空青い海とかゴーヤチヤンブルーとか、沖縄の人はやさしいとか。恥知らずだ。沖縄の人間をなめとる。新しい政権は甘く見たらいかん。
 次から次に来ますよ。個人参加です。何々組合とか何々党ではなく、一人一人のウチナンチュが、それを受けとめる良心的な人々が、これから来る。もう来ています。私の生まれ故郷のうるま市からも来ている。
 沖縄がこれであきらめると思ったら大間違いだ。そのことをしかと肝に銘じてほしい。

【2013年8月13日 第1145号 韓国併合100年 戦後補償から東アジア共同体へ 8月「日韓市民共同宣言大会」の成功を】

◎靖国合祀を批判

 全交の分野別討議「韓国併合100年 戦後補償から東アジア共同体へ」には、約30人が参加。「韓国併合100年」の今年こそ、日本とアジアの過去・現在・未来の関係を問い直す絶好の機会にしていこうと呼びかけられた。
 海外ゲストとして参加した韓国の太平洋戦争被害者補償推進協議会共同代表の李熙子(イ・ヒジャ)さんは特別報告で「生き別れた父の痕跡だけでも探そうと被害者運動に参加した。父が靖国神社に合祀されていることを知ったのは97年だった。ところが、靖国神社には30年以上前の59年に合祀されていた。日本政府は韓国の遺族には何も知らせていないのに、靖国神社には父の情報を渡していた。こんなことが許されるのか。全く資料が見つからない遺族も多い」と、当事者を無視して進められた靖国合祀を批判した。
 続いて、沖縄・合祀ガッティンナラン訴訟原告の金城実さんが報告した。「沖縄戦で壕を追い出された住民、集団強制死させられた赤ん坊も日本軍の協力者として援護法の対象になった。そして、援護法の対象になったことを理由にその赤ん坊も靖国神社の神として祀られている。靖国神社はそれほどいい加減なところだ。法廷は靖国や国との闘いの場だ」。10月26日の1審判決への支援を訴えた。

◎注目集めた写真展

 討議では、関東での『韓国併合100年写真展』の取り組みが注目された。東京・江東区で取り組んだスタッフは「右翼の宣伝カーが15台も来て妨害したが、1日で100人が参加して成功した。感想もよく、準備過程でも地域の方の多くの協力を得た。大きな一歩を踏み出した」と語った。横浜市からは、「『2人いればできそうだ』と開催を決め、地域の知人友人に呼びかけたところ、財政的支援、当日のスタッフ、宣伝など協力してくれる実行委員が25人も集まった。1週間で230人以上が見に来てくれた」と成功例が報告された。
 イ・ヒジャさんから10月に韓国の遺族が日本全国を回る証言集会の企画の報告があり、それをどう支えていくのか議論された。参加者の一人は「政治を変えるしかない。それには東京だけで取り組んでいてもだめ。遺族の証言集会に地元の国会議員にも来てもらおう」。強制労働・軍人軍属の立法解決案も報告された。地域での取り組みを積み上げ、来年の通常国会への同解決法案提出を目指すこと、8月の「日韓市民共同宣言大会」を成功させ「宣言」への支持を全国に広げることなどを拍手で確認した。

【2010年10月8日 第1152号 「韓国強制併合」100年を考える 沖縄で4団体が集いを開催】
 「日本による『韓国強制併合』百年を考える集い・沖縄」(主催・同実行委員会)が9月25日、那覇市内で開催された。沖縄戦で朝鮮半島から強制連行された軍夫問題に取り組んできた「沖縄恨(ハン)之碑の会」が呼びかけ、一日実行委員会として日韓合同授業研究会沖縄委員会 、「靖国合祀ガッティンナラン!訴訟」原告団、 沖縄戦記録フィルム1フィート運動の会の3団体が加わった。

◎「市民共同宣言」を受けて

 司会と運営は、恨之碑の会代表の安里英子さん。「先月、東京やソウルで『日韓市民共同宣言』が採択された。日ごろから沖縄で朝鮮半島との民衆連帯に取り組んでいる団体がこうして一緒に開催までこぎつけたことが大きい」と開催までの経過を報告する。開会の挨拶は、同じく恨之碑の会理事の平良修さん。「なぜ『日韓併合』と言われるのでしょうか。今日の集会名称には『韓国強制併合』と書かれています。すべての表記を『韓国強制併合』と書き改める思想を広げたい」と開催の意義が強調された。
 特別報告として、読谷村議会議員の知花昌一さんが6月22日に村議会で採択された「日本軍『慰安婦』問題の解決をめざす法制定を求める意見書」の取り組みを報告。「私の議員任期も明後日27日まで。最後の仕事として慰安婦決議に取り組んだ。沖縄戦では村内に11か所の慰安所があり、40名以上の慰安婦の方がいた。決議の翌日、大阪の一市民から匿名で抗議文が議会に届けられたが、ぜひこうした運動を県内で広げたい」と力強く語った。

◎東アジアの平和に向けて

 第1部は、復帰の年から38年間沖縄に住む朝鮮近代史研究家で汎民研究会共同代表の金洙變(キム・スソプ)さんが「近代史におけるアジアと朝鮮・日本〜アジアの支配をもくろんだ日本の朝鮮占領〜」と題した講演。金さんは「日本による強制併合という植民地政策による最大の問題は、朝鮮戦争の悲劇をはじめとする旧ソ連とアメリカが行なった南北分断がいまだに続いていること。朝鮮半島はひとつ、東アジアに平和で安定的な未来をつくるために一日も早い平和的統一を」と強調した。
 第2部は、実行委員会構成団体からの報告。「靖国合祀ガッティンナラン!訴訟」原告団の金城実さんは「尖閣問題でまた天皇制という靖国思想のウイルスが全国に広がっている。沖縄はもう犠牲になりたくないので、おとなしくしてほしい」とナショナリズムを煽る日中両政府に苦言を呈した。
 昨年、沖縄は島津藩による侵攻400年だった。日本政府による沖縄への軍事支配は基地問題を見ても変わっていない。「韓国強制併合」は、沖縄の問題でもあることが最後に確認された。

(編集部 浅井健治)
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2019年10月13日

上田電鉄別所線鉄橋が崩落

台風19号の影響で、長野県上田市の北陸新幹線上田駅と「信州の鎌倉」別所温泉とを結ぶ上田電鉄の千曲川鉄橋が崩落してしまいました。
https://www.asahi.com/articles/ASMBF2CGGMBFUOOB005.html

上田電鉄別所線はわが青春の記念碑です。連れ合いの実家が同線「八木沢」駅近くにあります。45年以上前、上野から当時の国鉄信越線夜行急行に乗って軽井沢で夜明けを迎え、上田駅で別所線「丸窓電車」に乗り換えてこの鉄橋を渡り、初めて同家を訪ねたことでした。

別所線沿線には数々の観光スポットがあります。国宝「八角三重塔」の安楽寺、重要文化財「石造多宝塔」の常楽寺、おはぎがおいしい前山寺(ここの三重の塔もすばらしい。私はこちらのほうが好きです)、その近くの志半ばで戦場に散った画学生たちの作品を展示した「無言館」、信濃デッサン館(塩田平を見下ろすすてきな喫茶室がありましたが、今は無期限休館中か)、生島足島神社、中禅寺、龍光院、別所温泉の「石湯」「大湯」「大師湯」、北向観音とその境内の縁結びの木「愛染カツラ」…などなど。

こうした場所を車を使わず訪れるには、必ず別所線の電車に乗って千曲川の鉄橋を越えなければなりません。その鉄橋が無残にも崩れ落ち、復旧の見通しも立たないとは。心の中にとてつもなく大きな穴が開いてしまったようです。

別所温泉地区、安楽寺に向かう一角に、戦前の労農党代議士山本宣治の記念碑が置かれています。『長野県上小地方農民運動史』(「上小(じょうしょう)」は「上田」と「小県(ちいさがた)郡」を合わせたこの地方の呼び名)という本に載っていた記念碑の碑文は、以下の通りです。

−ここから−

山本宣治講演記念碑の再建について

上田市周辺の貧農小作人の組織だった上小農民組合連合会は一九二九年(昭和四年)三月一日、労働農民党の代議士山本宣治を迎えて上田市公会堂で講演会を開きました。当時労働者農民が選出した代議士までが軍部に屈服して「山宣ひとり孤塁を守っていた」時でしたので、不況と戦争による極度の社会不安のなかに生きていた多くの労働者農民がこの講演会に集りました。山宣は革命的な代議士の議会活動について具体的に話しましたが、臨席警官の「中止」によって中途で打ち切られました。しかしこの時は山宣が第五六回帝国議会で極反動の弾圧法「治安維持法」を死刑にまで改悪する「緊急勅令」の「事後承諾案」に対する反対演説の草稿を決死の覚悟で準備していた時でしたので、その講演はこの地方の労働者農民に大きな感動を与えました。山宣はその「事後承諾案」が議会に上程された三月五日の夜、東京神田の旅館で田中軍治内閣の手先に虐殺されました。上田での講演の四日後のことでした。

山宣虐殺は全国勤労者の激しい怒りをまきおこしました。上小農民組合連合会でも直ちに上田市公会堂で山宣追悼会を開き、東京の山宣労農葬に参加して帰ってきたタカクラ・テルの報告を聞きました。その報告もやはり臨席警官の「中止」で打ち切られましたが、上小農民組合連合会はその席上、山宣の一周忌までにその講演記念碑を建てることを満場一致で決定し、責任者を選出しました。こうして山宣の死はこの地方の民主運動に一層大きな影響を与え、労働者農民運動の新しい高まりの重要な原因の一つになりました。

しかし記念碑の建設には非常に大きな困難がありました。費用や材料は同志たちの特別の努力で予定どおり解決できましたが、軍事色一色の当時、建設地の承諾をえられる場所がどこにもなかったからです。最後に別所村のタカクラ・テルの借家の一部に家主の斎藤房雄氏の承諾をえてやっと建設地を決定できました。そして山宣一周忌の一九三〇年(昭和五年)五月一日、多数の警官に取り囲まれながら赤旗を林立させて山本宣治講演記念碑の除幕式を決行しました。碑面には山宣の愛誦句で一生の方針をも示した「人生は短く科学は長い」のラテン語“Vita Brevis Scienta Longa(ヴィタ・ブレビス・スキエンタ・ロンガ)”をきざみました。

一九三三年(昭和八年)長野県全域にわたる「二・四事件」の大弾圧があり、この地方でも多くの労働者農民が逮捕投獄されました。タカクラ・テルも投獄され、山宣記念碑も警察がこなごなに取りこわすよう家主の斎藤房雄氏に命じました。しかしさいわいにも斎藤氏は警察へは碑は完全にこわしたと始末書をだして、碑と台石はひそかに自宅(柏屋別荘旅館)へ運んで庭の一隅に埋め、今日まで保存しました。

今日ここに再建できた山本宣治講演記念碑はこうして造られ、こうしてこわされ、こうして保存されてきたものです。明らかにこの山宣記念碑は東信地方の民主主義運動の歴史の重要な記念碑の役わりをも果たしており、また今日これが再建できた事実は日本民主主義運動の偉大な発展をも具体的に示しています。この記念碑の再建に協力してくださり、さまざまの援助を与えてくださった方方に心からお礼を申しあげます。同時に日本民主主義運動のためにいっそう献身することをここにあらためて誓います。

一九七一年一〇月八日

山本宣治講演記念碑再建実行委員会
撰文 タカクラ・テル
書 山本虎雄

−ここまで−
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(前山寺・三重塔)

(編集部・浅井健治)
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2019年10月07日

週刊MDS最新号 金城実さん寄稿を読む

週刊MDS最新号(10月11日付第1595号)8面に彫刻家・金城実さんの寄稿が掲載されています。つねに自らと自らの属する集団(ウチナーンチュであったり芸術家団体であったり)への冷徹な自己批判の眼差しを絶やさない金城さんの姿勢、語り口をぜひ心ゆくまで味わってください。

寄稿の末尾近くで、「恨(ハン)」に関連して"sympathy"と"empathy"の違いに触れられています。この二つの英単語にまつわる話をつい最近、ブレイディみかこ著『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(2019年6月、新潮社刊)で読んだばかりだったので、驚きました。金城さんは植民地人民の「恨」について、みかこさんは息子が通うイギリスの公立小学校の「公民教育」について、それぞれ語る中での同じ二つの言葉ですから、全く別の脈絡の中で使われているようでいて、不思議なことにどこか共鳴する意味あいがあることに気づかないわけにはいきません。

みかこさんの本から一部、断片的に引用します(前掲書72〜76ページ、「…」は省略個所)。

−ここから−

 英国の公立学校教育では、…シティズンシップ・エデュケーション(日本語で…「政治教育」「公民教育」「市民教育」…)の導入が義務づけられている。

「試験って、どんな問題が出るの?」と息子に聞いてみると、彼は答えた。
「めっちゃ簡単。…最初の問題が『エンパシーとは何か』だった。…」
 …息子の脇で、配偶者が言った。
「…で、お前、何て答えを書いたんだ?」
「自分で誰かの靴を履いてみること、って書いた」
 自分で誰かの靴を履いてみること、というのは英語の定型表現であり、他人の立場に立ってみるという意味だ。日本語にすれば、empathyは「共感」、「感情移入」または「自己移入」と訳されている言葉だが、確かに、誰かの靴を履いてみるというのはすこぶる的確な表現だ。

 エンパシーと混同されがちな言葉にシンパシーがある。
 両者の違いは…、オックスフォード英英辞典のサイト…によれば、シンパシー(sympathy)は「1.誰かをかわいそうだと思う感情、誰かの問題を理解して気にかけていることを示すこと」「2.…」「3.…」と書かれている。一方、エンパシー(empathy)は、「他人の感情や経験などを理解する能力」とシンプルに書かれている。つまり、シンパシーのほうは「感情や行為や理解」なのだが、エンパシーのほうは「能力」なのである。…
 ケンブリッジ英英辞典のサイト…に行くと、エンパシーの意味は「自分がその人の立場だったらどうだろうと想像することによって誰かの感情や経験を分かち合う能力」と書かれている。
 つまり、シンパシーのほうはかわいそうな立場の人や問題を抱えた人、自分と似たような意見を持っている人々に対して人間が抱く感情のことだから、自分で努力をしなくとも自然に出て来る。だが、エンパシーは…自分と違う理念や信念を持つ人や、別にかわいそうだとは思えない立場の人々が何を考えているのだろうと想像する力のことだ。シンパシーは感情的状態、エンパシーは知的作業と言えるかもしれない。
 …ありとあらゆる分断と対立が深刻化している英国で、11歳の子どもたちがエンパシーについて学んでいるというのは特筆に値する。

−ここまで−

 20世紀、帝国主義・植民地主義の時代のシンパシーとエンパシー。21世紀、グローバル資本主義の猛威が吹き荒れる時代のシンパシーとエンパシー。どうやってシンパシーにとどまらないエンパシー=他者を理解する能力をかちえるか。金城さんの彫刻とみかこさんの本から深く学びとりたいと思います。

(編集部 浅井健治)
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2019年09月19日

東電刑事裁判 「国の原子力行政を忖度した判決」

東電刑事裁判で東京地裁が「全員無罪」の不当判決を出しました。長時間にわたる判決要旨読み上げが終わった後、司法記者クラブで検察官役の指定弁護士5人が記者会見。石田省三郎弁護士は「国の原子力行政を忖度した判決」と断じています。

続いて、福島原発刑事訴訟支援団副団長の武藤類子さんと被害者参加代理人の弁護士4人の記者会見が行われ、武藤さんは「福島県民をはじめ原発事故の被害者は誰一人、この判決に納得していない」、海渡雄一弁護士は「司法の歴史に大きな汚点を残す、絶対に取り消されるべき判決だ」と述べました。

両方の記者会見の一部を以下、掲載します(××は聴取不能個所)。

【検察官役指定弁護士 記者会見】

◎石田省三郎弁護士

 ひと言感想的なことを述べると、今回の判決は国の原子力行政を忖度した判決だと言わざるを得ない。
 裁判所は、原子力発電所に絶対的な安全性が求められているわけではないといった趣旨のことを言う。被告人3人の義務として、本当に判決が言ったような形のことをやっていればいいのか、つまり、原子力発電所という、もし事故が起これば今回のように取り返しのつかないことになる施設を管理運営している会社の最高の経営者層として、あのようなことだけで本当にいいのか、と感じた。
 私たちは論告等の中で、情報収集義務を中心に彼らの義務内容を論証したのだが、その点についての裁判所の見解が述べられているとは到底思えない。さらに判決の内容を十分に精査した上で今後の対応を考えていきたい。

Q 推本の長期評価について裁判所は信頼性が低いというようなことを言っているが。

A 私は判決内容を聞いていて、裁判所があそこまで踏み込んだというか、科学的な問題についてあのように介入した判断をしてはたしていいものなのかどうか、ということを感じた。というのは、東京電力の担当者、土木グループの人たちは、あの長期評価が出ていることを前提に何をすればいいかということを考えたのだから、そのことについての評価をすべきであって、長期評価そのものが科学的にどうなのか等についての論争をこの法廷で、あのような踏み込んだ形でしていいのかどうか、については今後いろんな人たちが検討の対象とされると思う。
 原子力発電所の安全性を考える段階で、これは一般の防災のことを考えているのではなくて、取り返しのつかない事故が起こり得る可能性を秘めた原子力発電所の安全性の問題を考える上で、あのような議論をはたして裁判所がしてもいいのかどうか、というところから我々はあらためて問題を考え直さなければいけないと思っている。

Q 控訴するかどうか。

A これからそれは考えなければいけない。判決文の内容も××して被害者参加人の方がたとか検察審査会の決定の内容××どうするのかについて検討をしなければいけない。

Q 公判で、これまで表に出なかった証拠が明らかになった。その意義について。

A われわれも法律実務家だから結果がすべて。どのようなことが公判で明らかになったか、それらがどのように影響していくか、ということはむしろ皆さん方が判断されることではないか。

Q 強制起訴の困難さは。

A 判決文の中にもあったが、刑事責任という場合には当然のことながら合理的な疑いを超えて有罪を立証しなければいけない。その難しさはある。だから我々はそれに精力を注いだつもりではいたが、残念ながらこのような結果になった。

Q 市民の判断に基づく検察審査会の議決を経た強制起訴裁判で無罪判決が相次いでいるが。

A 我々がコメントすべき立場にはない。裁判所から選任をされた以上は、その職務を全うせざるを得ない立場にあるということだ。

Q 山下(和彦・地震センター長)氏がが、調書だけでなく証人尋問されていたら、結果は違ったのではないか。

A それはそうでしょう。証言の内容いかんによってはそう思う。刑事訴訟法321条によって(調書が証拠に)採用されているのだが、裁判所の判断の根底には、反対尋問を経ていない証拠ということであのような判断になったのではないかと思う。しかし、あの調書の内容を精査し、他の証拠等を勘案すれば、本来であればあのような判断にはならなかった。

Q なぜ有罪に持ち込めなかったのか。

A 有罪に持ち込めなかったというより、なぜ裁判所が有罪にしなかったかという問題だと思う。(有罪にできるだけの論証はきちんと)やった。それを先ほど言ったように、裁判所が国の原子力行政をおもんぱかり、絶対的な安全性まで求められていないという、そういう判断ってあり得ない。万が一にも起こってはいけないという具体的な発想があれば、あのような判断にはならない。

Q 民事裁判への影響を考えると、これで終わるというのは考えづらいが。

A そういう意見も踏まえた上で、どういうふうにしていくか考えたい。ただ、我々の選任の効果はきょうまで。控訴するかどうかの権限は我々にあるのだろうが、それ以降はまた別の方がおやりになるのかどうか、分からない、制度的に。

Q 裁判所は、結果回避の方法について「停止」しかないと決めつけていたが。

A ちょっと違和感があった。我々は、5つの方策をとるべきであり、それが終わるまでは停止しろという主張をし、いろんな証拠書類等を出している。ところが、被告らはそういうことすらやっていないというところを全く裁判所は無視してしまっている。あの判決の言い方はかなり違和感があった。

Q 結果回避措置についていつまでと主張していない、という指摘があったが。

A できるまで止めておけばいいということで、永遠に止めろと我々は言っているわけではない。

【福島原発刑事訴訟支援団&被害者代理人弁護士 記者会見】

◎武藤類子・福島原発刑事訴訟支援団副団長

 きょうの判決について残念のひと言に尽きる。あれだけ裁判の中でたくさんの証拠や証言がありながら、それでも罪に問えないのか、という思いだ。
 裁判所は間違った判断をしたと思っている。裁判官は福島の被害に真摯に向き合ったのかどうか。福島の現場検証を棄却したこと自体にすでに誤りがあったのではないかと思う。
 この判決は最も責任をとるべき人の責任をあいまいにして、二度と同じような事故が起きないように社会を変えていくということを阻むものだと思う。
 福島県民をはじめとして原発事故の被害者は誰一人、この判決に納得していないと思う。検察役の指定弁護士の皆さんには本当にお世話になったけれども、さらなるご苦労をおかけするが、即時控訴してくださることを望んでいる。

◎海渡雄一弁護士(被害者代理人)

 告訴から検察審査会、37回の公判を一度も欠席せず全過程を見てきたが、これほどひどい判決が出るとは思いもしなかった。これは司法の歴史に大きな汚点を残す、絶対に取り消されるべき判決だ。
 指定弁護士の先生方には、控訴していただき、控訴審も石田先生をはじめとする指定弁護士団にこの事件を続けてやっていただきたい。我々も被害者代理人として全力でそれを支えていきたい。そして必ずや正義が叶えられた高裁判決をかちとりたい。[以下、判決内容の具体的批判については割愛、別途報告します]

(編集部 浅井健治)
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2019年07月31日

DSA集会 ビル・イェイツさんとの一問一答

2019ZENKOin東京に参加したDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)のビル・イェイツさんを囲み、7月29日都内で国際連帯集会が開かれました。以下は、同集会での質疑応答の概要です(実際の質問順ではありません)。主催者の了承を得て、投稿します。

《質問1:DSAに入会するにはどうするのか。会費はいくらか》

DSA加入は簡単だ。簡単にしている。一番簡単な方法は、DSAのウェブサイトで「Join(加入)」をクリックすること。会費はいろんな区分があり、標準は年60ドルで、失業者や学生、高齢者など経済的に困難を抱えた人は減免会費になる。会費とは別に、月単位でカンパも募集している。5ドルとか好きな額でよい。120ドルカンパしてうち60ドルを年会費に回すのもよい。全国委員会ではカンパの増額を呼びかけている。私は月20ドルを納入。クレジットカード払いもできる。

納めた会費の6割が支部の活動に、4割が全国レベルの活動に充てられる。ただ、この仕組みはごく最近スタートしたばかりだ。

《質問2:DSAはいずれ政党になるのか》

私はそうは思わないが、可能性はある。政党でない理由は、米国の選挙制度にある。米国では(2大政党以外の)第3の政党はどこにも行き場がない。しかし、私たちは政治に関わる。民主党を選挙のための扉として利用する。民主党に入るのを止めるルールは何もない。現在の選挙制度では、政党でないほうが(政治に関わる上で)意味がある。MDSも同じ考え方ではないか。立候補するときは無所属として立候補するのか。

《質問3:DSAは「多元的(pluralistic)で複数の傾向を持つ(multi-tendency)組織」ということだが、もう少し説明を。また、意見や方針の違いが生じたときはどのように克服していくのか》

いい質問だ。DSAのウェブサイトに「DSAとは何か」を自己紹介しているページがあり、その言葉を使っている。その表現に決めるのには、何か月も時間をかけて議論した。

“複数の傾向”について言えば、私たちのシアトル支部にも「環境社会主義者」「マルクス主義=社会主義者」「LGBT社会主義者」「女性社会主義グループ」など4つか5つの異なる傾向がある。ナチのメンバーでない限り、私たちは誰も排除しない。

多元主義ないし複数主義の考え方のもとでは、どのような議論にも基本的に2つの立場があり、一方が他方を圧倒して済ませるということはできるだけ避ける。その保障の一つとして、不満を申し出られる機関(grievance system=苦情処理制度)を組織内に設けている。議論をする際はつねに、両方の立場に立つ者がそれぞれの意見を表明する機会を与えられる。

これが機能しているかどうかは、8月2日から始まるDSA大会で分かるだろう。DSA大会は隔年開催だが、今回はこれまで最大の大会になる。代議員は1000人以上。議論も多面的になるだろう。

《質問4:最近米国で、ファストフード店などで最低賃金引き上げを求める闘いや公立学校教員の闘いが広がっていると聞いた。それらの闘いにDSAはどう取り組んでいるのか》

労働者の権利については、DSAは労働者の組織化、労働運動支援に大きく関わっている。支部にも、全国レベルにも、労働運動委員会がある。前回2017年のDSA大会で3つの重点決議を上げたが、その1つが労働運動・労働者の権利にかかわる決議だ(他の2つはメディケア・フォー・オールと選挙活動)。

私たちシアトル支部の労働者メンバーも、アマゾンの労働者がストライキを始めた際に積極的な役割を果たした。毎週水曜日には「労働者組織化プロジェクト」の会議を開いている。このプロジェクトを始めた理由は、支部メンバーの中にはアマゾンやマイクロソフトで働いている者や非正規労働者もいて、従来の(高い賃金を得ている巨大労組の組合員のような)組織化のスタイルは通用しないからだ。私たちはまず、小さな企業の、まだ自分たちの声が届いていないと感じている労働者から組織していく。労働組合づくりがDSAメンバーから始まることもある。いま取り組んでいるのは博物館・美術館職員の組織化だ。

最賃引き上げの闘いにもDSAメンバーは関わっている。みなさんシアトルに行けば、どこかでストライキが行われているだろう。そのピケットラインには必ずDSAメンバーがいる。ストライキこそ私たち社会主義者がやることだ。

ボーイング社で闘われたストライキは大規模で、市全体が機能マヒするぐらいだった。しかし、労働組合は会社に勝てず、同社の生産ラインはサウスカロライナ州に移転した。最後の協定で同社はシアトルにとどまると約束したので、組合指導部は協定にサインしたが、1年後、航空機の生産はノースカロライナかサウスカロライナで行われることになった。ここで関心を引くのは、トラブルが頻発しているボーイング737型機はすべて、低賃金労働者の多いサウスカロライナのラインで製造されたことだ。

シアトルは最賃闘争の世界の中心地になっている。時給15ドルを初めて実現したのがシアトル。これは直接行動でかちとった成果だ。最賃を決める市議会の会議場をいっぱいにして毎日、1か月間座り込んだ。

《質問5:メディケア・フォー・オール(以下、MfA)やグリーン・ニュー・ディール(以下、GND)の財源は? 富裕層への課税はよく聞くが、軍事費削減は掲げないのか》

バーニー・サンダースが政策を明確に打ち出している。例えば、フリー・カレッジ・フォー・オール(学費無償化)の財源としては(金融)取引税の導入を主張する。コンマ以下の低い税率で株式市場の売買に課税し、巨額の税収を得られる。金持ちから取り立てて貧困層に回すので、ロビンフッド税とも呼ばれる。エコノミストの試算によると、これで学費無償化の全予算をカバーできる。

MfAの場合は少し違う。右派は「MfAだって? カネがかかりすぎる。増税になる」と宣伝する。これはトランプの典型的なウソだ。MfAは全国民から3%の税をとるが、保険料は払う必要がない。今のメディケアがタダではないというのはその通り。私もメディケアの加入者だ。メディケアは医療費の80%しかカバーできない。500〜600ある民間保険会社が残りの20%の部分を保険商品として提供し、そこから儲けを得ている。MfAではこの20%を被保険者が負担しなくてもよくなる。しかも、医療費の支払い元はただ一つ、米国政府の「メディケア・プログラム」だ。

最終的にはこうなる。私がメディケアで医者にかかるとする。私はメディケア税を一つの保険者=米国政府に納める。民間保険会社は何も得られない。単一支払い者制度とも呼ばれる。日本も同じではないか。

一つデメリットは、民間保険会社の儲けがなくなると、それらの会社の社員が職を失うこと。しかし、この人びとは政府が雇えばよい。MfAによって社会保障を運営するためにより多くの政府職員が必要になるのだから。仕事は失ってもメディケアは手にすることができるし。

軍事費の削減は一つの可能性だ。あるいは、富裕層に課税する。トランプが最初にやったのは、財産税の減税。これを復活する。軍事費も連邦予算の30%(この数字は不正確かもしれない)を占めており、カットの対象。あるいは、海外に駐留する米軍兵士を呼び戻せばよい。アフガニスタン、イラクの戦争には何兆ドルもの経費がかかっている。沖縄の米軍基地がなくなればいくら予算が節約できるか考えるべきだ。

GNDは少し複雑だ。財源問題はどれだけの人びとにそのための雇用の機会を与えるかによる。GNDは1930年代のルーズベルト大統領の政策を参考にしている。当時、ダムを造り、道路を造った。そのために多くの労働者を、道路の清掃などにも、雇用した。「雇用促進局(Works Progress Administration)」が設置された。今回もニュー・ディールだが、焦点は環境保護に向けられている。風力発電を広げ、グリーンな=環境にやさしい事業を展開する。気候変動に対応することが必要だ。次世代のために1千万本の木を植えようというプロジェクトを何かで読んだことがある。ドイツの科学者が提唱している。

《質問6:MMT(現代貨幣理論)をどう評価するか》

残念ながら、聞いたことがあるが、私はエコノミストではないのでよく知らない。

《質問7:戸別訪問(Canvass=キャンヴァス)のフォローアップはどのようにしているのか》

ケース・バイ・ケースだ。1週間か10日たってから、戸別訪問した人たちとコンタクトし、私たちに支持を寄せ続けてくれているかどうかを確かめる。支部として何かイベントがあれば、例えば「バーニー・サンダースが来てメディケアのことを話しますが、興味があれば来ませんか」と誘う。

戸別訪問の結果は3つに区分してある。Yes(○)、Maybe(△)、No(×)の3つ。△の人のところをフォローアップすることが重要だ。しかし、×の人と関係を断つこともしない。なぜなら、人の気持ちはつねに変わるからだ。何かが起こったために自分の考えを変える人もいる。

《質問8:戸別訪問でドアを開けてもらえる人の割合は? オートロックのマンションなどではどうするのか》

オートロック・マンションはパスする。中へ入れないなら、時間をむだにすることはない。私もそのようなマンションに住んでいる。

ドアを開けてもらえる人の率は高くない。以前、2〜3時間やったとき40〜50軒中、私が会えたのは8軒。1つの通りで2〜3軒応答があれば、大成功だ。不在の家にはマークを付けていて、そのマップを使って不在だった家だけをフォローアップのため戸別訪問することもある。柔軟にやっている。

《質問9:戸別訪問はみんなができるわけではないと思う。どんな工夫でみんなを「やろう」という気持ちにさせているのか》

戸別訪問に否定的な人には結局は何か別の活動をしてもらうことになる。先ほどの複数主義・多元主義の考え方が役立つ。否定的な人を無理やり首に縄を付けて引っ張っていくわけにいかない。戸別訪問のリーダーたちには、次回どうやって誘えばより多くの戸別訪問者を集められるか、議論する場を設ける。

しかし、戸別訪問、ドアを開けてもらって人びとと出会うというのは楽しいことでもある。私はある年配の女性に会ったことがある。お連れ合いが亡くなって独りぼっち。ドアを開けてあいさつしたとたんにしゃべり始め、しゃべることしゃべること。「OK。もう行かなくては」と途中で切り上げさせてもらった。この女性はDSAの強力な支持者になり、支部の集会にも参加してくれている。

ふつう言われるのとは逆に、人は話すことが好きだ。反応の悪い人にあたった場合も、個人的に自分が何か言われたと受け取らないほうがよい。「ありがとうございます」と言って立ち去るか、「おじゃましてすみません」と言って退く。

《質問10:小さな子をもつ母親も戸別訪問に参加しているとのことだが、どうやってその意欲を喚起しているのか》

いい質問だ。私たちは月1回会議をもつが、その際必ず託児所を設け、子どもたちの面倒をみるボランティアを募る。私たちの支部には保育の専門家が2人いて、その人たちが託児所の運営を担当する。託児所を整備すれば、参加できる母親たちも増える。ママたちパパたちは地球を救うために活動し、子どもたちは楽しく遊ぶ。

戸別訪問活動の際も子どもをみる担当を決め、母親たちが参加できるようにする。DSAのフェミニスト組織としての側面だ。働く母親たちは困難な状況に置かれている。

(文責 編集部・浅井健治)
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2019年05月07日

ベネズエラ−手遅れにならないうちに行動を起こそう

以下、5月3日に届いた旧IVAW(反戦イラク帰還兵の会)マット・ハワードさんからのメールの大意です。

ベネズエラ−手遅れにならないうちに行動を起こそう

ここ数週間、めまぐるしい展開だった。帰還兵のリーダーたちは全米を縦横に動き回り、軍産複合体についての研修を実施し、ベネズエラでもくろまれたクーデターへの支持を撤回するよう連邦議会議員に圧力をかけ、歴史上重要なハイランダー・センター(テネシー州にある米国南部労働運動・公民権運動の研究教育センター)で3月末に起きた不審火の被害救援をおこなってきた。

そのような中にあっても、ベネズエラの危機とトランプ政権の相次ぐ悪しき行い−「すべての選択肢がある」とする見えすいた脅しを含めて−はつねにわれわれにとって気がかりだった。

4月30日、野党政治家で自称ベネズエラ大統領のフアン・グアイドはベネズエラ軍指導者に対し、強まるクーデターのもくろみの中にあってマドゥロ大統領の防衛をやめるよう呼びかけた。ベネズエラの危機が引き続き破滅的であって緊急に解決を必要とするものであることは明らかだが、米国によって支持された新たなクーデターはより悲惨な結果をもたらすだけだということもまた明らかである。

だからこそ、われわれはベネズエラに対する制裁(同国における4万人の死につながっている)を解除し、外交を再開し、米国によるいかなる軍事介入の可能性も排除するよう求める呼びかけに加わった。

幸い、連邦議会議員に圧力をかけるために使える選択肢がわれわれにはある。下院法案1004号と上下両院合同決議案11号だ。トランプ政権が「武力によるベネズエラへの敵対行動に及ぶ」のを阻止するために提出された。現時点で決定的に重要なのは、選挙で選ばれた議員らに、われわれはラテンアメリカで同じ歴史を繰り返させないと思い起こさせることだ。

有権者の一人として、連邦議員たちに“今すぐ”伝えてほしい。あなたが、私的な利益のために米国によって引き起こされる新たな戦争を止め、ベネズエラに対する破滅的な制裁を終わらせるために彼らが行動するよう求めているということを。

連邦議会の代表番号202-224-3121に電話し、地元選出議員にコンタクトしてほしい。

みなさんがこの紛争をどう分析しているか分からないが、われわれはベネズエラの人びとには自己決定権があると確信する。いま連帯運動の活動家たちはワシントンにあるベネズエラ大使館を占拠し、グアイド率いる野党が大使館を乗っ取って“正当な”政府であると主張する試みを阻止している。この行動は、ベネズエラでの米国の権力ゲームに終止符を打つ助けになり得るが、好機は限られるだろう。

行動を起こす動きやチャンスが出てきた場合は、すぐにお知らせする。

連帯を込めて、

マット・ハワード
アバウト・フェイス(反戦帰還兵の会、旧IVAW=反戦イラク帰還兵の会)共同代表

(以下、原文)

Take action on Venezuela -- before it's too late

The past couple weeks have been a whirlwind. Our veteran leaders have criss-crossed the country conducting trainings about the Military Industrial Complex, pressuring their congress members to withdraw support from the attempted coup in Venezuela, and providing support to the historic Highlander Center in the wake of the suspicious fire they experienced.

In the midst of all this, the crisis in Venezuela and the Trump administration's continued bad actions -- including the thinly veiled threat of using "all available options" -- remains on our minds.

On Tuesday, opposition politician and self-appointed president of Venezuela Juan Guaido called for Venezeulan military leaders to stop defending President Maduro in an escalation of the attempted coup. While it is clear to us that the crisis in Venezuela continues to be devastating and in dire need of resolution, it is also clear to us that yet another coup supported by the United States will only lead to more disastrous outcomes.

That's why we have joined calls to end the sanctions on Venezuela (recently linked to 40,000 deaths in the country), and to resume diplomacy and foreclose the possibility of any military intervention by the US.

Fortunately there are options available to us to pressure our Congress members: H.R. 1004 and S.J. Res. 11, which were crafted to hold the Trump administration back from "introducing armed hostilities to Venezuela." In this moment, reminding our elected representatives that we won't let history repeat itself in Latin America is vitally important.

Please let them know TODAY that as a constituent, you want them to take action to prevent yet another war waged by the U.S. for private gain and to end the devastating sanctions on Venezuela.

Contact your elected leaders by calling the Congressional Switchboard at 202-224-3121

Regardless of how you break down this conflict, we believe in self-determination for the Venezuelan people. Right now, solidarity activists are occupying the Venezuelan embassy in Washington D.C. to prevent attempts by Guaido's opposition party to take over the building and then claim to be the "legitimate" government. Our action here can help put an end to US power plays in Venezuela, but our window will only grow smaller.

We'll keep you updated as more developments and chances to take action emerge.

In solidarity,

Matt Howard
Co-Director
About Face: Veterans Against the War
(formerly Iraq Veterans Against the War)

(編集部 浅井健治)
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2019年04月26日

アースデイ東京 "One Peace Okinawa"

【アースデイ東京 "One Peace Okinawa"/沖縄の問題を自分のこととして/ジュゴンを救え ハガキ行動も】

 アースデイ東京2019が4月20〜21日、代々木公園をメイン会場に開催された。両日とも好天に恵まれ、家族連れや若者ら多くの人出でにぎわった。
 けやき並木の一角、実行委員団体“One Peace Okinawa”のステージテントでは、「平和なくらしのつくりかた〜沖縄から問われる民主主義〜」と題してトーク&ライブのプログラムが組まれた。「安心・安全に暮らしたい」という当たり前の権利が守られていない沖縄。沖縄のことを誰にも関わる“ジブンゴト”として一緒に考えようと企画された。ゆんたく高江やジュゴン保護キャンペーンセンター(SDCC)、Milk[弥勒]などが共同出展した。

 SDCC代表でもある海勢頭(うみせど)豊さんは「国家のウソによる犠牲。何も変わらない日本の姿が天皇の伊勢神宮参拝に映し出されている。これは正さなければならない」と切り出し、『ああ対馬丸』『喜瀬武原(きせんばる)』『ザンの海』『トラジの花』『はるかな南の島』『月桃』を熱唱。ピースデポ共同代表の湯浅一郎さんは沖縄の軍事化の現状を伝え、「朝鮮半島で始まった平和・非核化の動きを活かし北東アジア非核兵器地帯をめざそう。非軍事・生物多様性・循環をキーワードに国や自治体の政策の検証を」と説いた。
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(海勢頭豊さん)

 宜野湾市の緑ヶ丘保育園父母会メンバーの女性は「部品は米軍のものだが落下はしていない、という米軍のあり得ない言い訳を『はい、そうですか』と受け入れた政府に唖然とした」と憤り、東村高江在住の演奏家、石原岳さんは「沖縄は都合のいい時だけ日本の中に入れられ、都合の悪い時は沖縄の問題だから沖縄で解決しなさい、と。それは違う。沖縄の問題じゃない、日本の問題、みんなの問題のはず」と苦言を呈する。
 第32軍(沖縄守備隊)司令官だった牛島満中将を祖父に持つ元小学校教員、牛島貞満さんは「祖父が南部撤退を命じなければ、多くの住民が犠牲になることはなかった。責任は大きい。軍隊は住民を守らない。沖縄は“皇土”の防波堤にされた」と沖縄戦の歴史をたどった。
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(牛島貞満さん)

 SDCCメンバーは、ジュゴン個体Bの死を無駄にすまいと「OKINAWAじゅごんを救え!大騒ぎキャンペーン」=要請ハガキ運動への協力を呼びかけた。岩屋防衛大臣宛てで、辺野古埋め立て工事の即中止とジュゴンA・Cの生息状況調査・保護を求めている。「私のひと言」を記入する人、複数枚持ち帰る人が相次ぎ、500枚用意していたハガキは初日のうちに品切れとなった。
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(編集部 浅井健治)
posted by weeklymds at 14:45| 報道/活動報告

2019年04月11日

山本太郎「れいわ新選組」

山本太郎参院議員が新しい政治団体「れいわ新選組」結成を発表したことをめぐり、レイバーネット日本のメーリングリストに投稿が相次いでいます。投稿順に転載しました(一部省略)。

私の考えは松原明さんや園良太さんらとほぼ同じですが、渡辺和子さんの「切迫した課題があり、天皇制の是非で対立するわけにいかない」という意見も頭から排斥したくはありません。

ちなみに、MDS(民主主義的社会主義運動)の綱領は天皇制の廃止や打倒を呼びかけていません(「日の丸・君が代」強制やナショナリズムの扇動には言及していますが)。象徴天皇制を支持する人、あるいは「今の天皇、安倍より相当マシ」「“令和”、いいんじゃない?」と言う人も、グローバル資本主義の新自由主義諸政策を打ち破り民主主義的社会主義の社会を実現したいと望む限り、MDSに加盟できます。
http://www.mdsweb.jp/form/kouryo.html

しかし、民主主義的社会主義と、あるいはそもそも民主主義と、天皇制ないし象徴天皇制との両立は可能でしょうか。不可能です。私も、およそ民主主義者たろうとする者が象徴天皇制賛美の国民統合キャンペーンに乗せられるようなことがあってはならないと、例えば“令和”使用拒否の運動を提唱したりもしました(アンチ巨人も巨人ファン=“令和”を話題にすること自体が改元政治ショーのお先棒かつぎ、と批判される向きもあるでしょうが)。

一方、その両立不可能な天皇制と民主主義(主権在民)とを並存させているのが日本国憲法です。その憲法を守らせる・生かす運動を大きく深く広げていかなければならないというのが今の最重要の運動課題であることも事実です。そんな観点から「れいわ新選組」の行方を注視することにしましょう。

−ここから−

-----Original Message-----
From: Akira Matsubara
Sent: Wednesday, April 10, 2019 10:44 PM
Subject: [labor-members 53433] 山本太郎氏が新政治団体を発表

以下はフェイスブックに書いたものです。

●名は体を表す〜「れいわ新選組」

 4月10日午後6時、山本太郎氏が「新政治団体」結成を発表するということで急遽、参院議員会館で開かれた記者会見に参加した。ワクワク感があったが、まず名前を聞いてがっくりきた。名は体を表すというではないか。基本政策は、消費税廃止・最賃1500円・奨学金徳政令・公務員を増やす・辺野古中止・原発廃止、など素晴らしい内容。でもなんでこの名前なんだろう? 戦争と支配につながる「元号・天皇制」に芯から反対している私にとっては、受け入れられないものだった。会見の何番目かで私はこの件について質問した。その質疑の部分を動画でYouTubeにアップしたので、ぜひ見て考えてほしい。
・動画(4分半)https://youtu.be/su1dhsArO1s

松原明

-----Original Message-----
From: 柴田武男
Sent: Wednesday, April 10, 2019 11:17 PM
Subject: Re: [labor-members 53433] 山本太郎氏が新政治団体を発表

こんばんは
一言で言えば、どうした山本太郎です。どうかしたようです。大丈夫かな。
柴田武男

-----Original Message-----
From: makiko masako
Sent: Wednesday, April 10, 2019 11:46 PM
Subject: [labor-members 53436] Re: 山本太郎氏が新政治団体を発表

牧子です。山本太郎さんを応援しているだけに、私もがっかりです。松原さんの質問にも、納得のいく答えになっていません。何がアイロニーなのかも分かりません。

これなら「山本太郎と仲間たち」とか「平和党」とか「主権在民党」とか、もっといい名前があるような気がします。それこそ公募してもいいのでは。

元号もお札の肖像画も古くさく陰気なのに、いつも明るく元気な山本さんまでもが「れいわ」とか「新選組」とか復古調なのは残念ですね。せっかくの門出だから祝したい気持ちですが、なんかこの党名を呼ぶのに躊躇します。山本さんを支持することに変わりはありませんが。
以上です。

-----Original Message-----
From:
Sent: Thursday, April 11, 2019 9:36 AM
Subject: [labor-members 53437] Re: 野党は反貧困平和で:山本太郎氏が新政治団体を発表

(情報記載 いしがき)
野党は「反貧困・脱原発・平和」で野党共闘を実現すべきでしょう。

過去の満蒙開拓がしかり、貧困が侵略戦争の口実となります。既に経済的徴兵制は進行しています。

さいたま市 石垣敏夫

以下転載

賃金水準、20年間で日本9%下落、英国87%増、米国76%増、フランス66%増、ドイツ55%増、韓国は2.5倍
賃金水準、世界に劣後 脱せるか「貧者のサイクル」
ニッポンの賃金(上)2019/3/19日本経済新聞(IROHIRA Tetsuro)

-----Original Message-----
From: Akira Yoshida
Sent: Thursday, April 11, 2019 9:38 AM
Subject: RE: [labor-members 53433] 山本太郎氏が新政治団体を発表

仰る通りです。思想性が疑われる名前ですね。新選組なんて「新鮮」ではありません。「社会改革・清浄」とか、今の汚い・危ない・市民の苦しみを乗り越えるネーミングにしてほしいと思います。いっくの会・吉田

-----Original Message-----
From: 渡辺和子
Sent: Thursday, April 11, 2019 10:09 AM
Subject: Re: [labor-members 53433] 山本太郎氏が新政治団体を発表&5月25日15時〜憲法カフェ&バー「天皇制について」

山本太郎氏は、園遊会にて天皇に直訴状を渡され、その始末の反省として、丸坊主刈りにされて皇居に向かって土下座されたと聞いたことがあります。

天皇制について、山本氏と全て一致しないのでは?
一致点で協力しあう以外ありません。

天皇制については、深い論議が必要です。切迫な課題があり、天皇制是非で対立するわけにはいきません。(時々社民共産の現場のご年配の方々が、私の知らない過去の歴史で、対立されているのも、同様な思いです。)

なお天皇制について憲法カフェ&バーで論議しますのでお知らせさせて下さい。

奇数月に1回、土曜か日曜15時〜に、新宿のスペースLEPIA=松原さん名付け親!(命・地球・平和産業協会事務所)にて憲法カフェ&バーを行っています。

参加費1000円ですが、初めて参加者、学生は無料! 経済的困難な方は自由カンパです。

一品注文メニューで、メニュー50円から。ドリンクバイキングやアルコールもあります。

次回は5月25日土曜15時から18時半「天皇制と日本国憲法」を行います。一部は大山勇一弁護士が、丁寧な資料付きでお話と質問、二部は、楽しく和やかに自由ディスカッション!

保守や中道、政治は初めて考えるという人も結構多くいます。10人〜20人ほどの参加者です。30人近くの多数になりましたら場所を変えますので、できる限りご予約をください。以下がお問い合わせ、お申し込み先です。

(社)命・地球・平和産業協会(LEPIA)
TEL 080-4576-9993 FAX 050-1252-3138

ビタミン和子 こと 渡辺和子

-----Original Message-----
From: 渡邊みちお
Sent: Thursday, April 11, 2019 11:55 AM
Subject: [labor-members 53440] 山本新党名について

令和新選組などは普通の感覚では嫌な感じがする!
記者会見での弁明も無理筋が多過ぎる。どうかしちやつているじゃないと感じたのは私だけではないだろう!
勿論、ファンの中には手放しで応援する人も少なくないだろう。
でも選挙はポピュリズムが必要です。思想性が問われていると神学論争を挑む気は起こりません。党名はどうであれ、今まで通り一票は入れるつもりだが、支持者を消極的にする党名の強行は問題である。山本ファンだけの運動でなく、消極的支持者が一回り大きく動ける標識、キャッチコピーが必要なのです。新党名は邪魔な存在なのです。記者会見の内容はとうてい承服できません。再考を求めます。

-----Original Message-----
From: ryota sono
Sent: Thursday, April 11, 2019 3:40 PM
Subject: Re: [labor-members 53433] 山本太郎氏が新政治団体を発表&5月25日15時〜憲法カフェ&バー「天皇制について」

園良太です。
松原さん、大事な質問をありがとうございました。全く同感です。
自分の元号に対する考え方を問われているのに、「どう受け取るかは人それぞれ」と交わす。すり替えであり、「逃げ」です。
日本を覆う天皇賛美と懐古趣味への便乗でしかありません。
「今は細かいことを言わずに大同団結して…」と3.11以降の8年間言い続けて、議論と新しい世界観の模索・提示を避けてきたからこそ、運動は負け続けているのです。

ーここまでー

(編集部 浅井健治)
posted by weeklymds at 18:48| 報道/活動報告

2019年02月22日

米国への公開書簡:ベネズエラに対する内政干渉をやめよ

ベネズエラ危機について日本共産党志位和夫委員長が声明を発表しました。
【弾圧やめ人権と民主主義の回復を】
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2019/02/20190221-venezuela.html

外国による干渉とりわけ軍事介入に反対しているのはいいことだと思いますが、それならなぜ米国による石油制裁に触れないのでしょうか。

ベネズエラの経済危機が深刻化した最大の原因は、同国の主要産業である石油産業に対し米国が制裁を強めたことです。日経新聞の以下の記事が詳細に解説しています。
【ベネズエラ、米石油制裁で進む危機 細る外貨獲得】
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41130900Z00C19A2EA2000/

以下は、少し古いですが、1月24日にノーム・チョムスキーやメディア・ベンジャミン、フィリス・ベニスらが発表した「米国への公開書簡:ベネズエラに対する内政干渉をやめよ」の大意(Google翻訳の助けも借りています)です。

原文は
https://portside.org/2019-01-25/open-letter-united-states-stop-interfering-venezuelas-internal-politics

【米国への公開書簡:ベネズエラに対する内政干渉をやめよ】

[以下の公開書簡は1月24日、ベネズエラにおける米国による介入に反対して、ラテンアメリカ研究者や政治学者、歴史学者そして映画監督や市民運動リーダーその他の専門家70人が署名し発表したものである]

米国政府は、ベネズエラの国内政治への干渉−それは同国政府を転覆させることが目的だ−をやめなければならない。トランプ政権と南北アメリカのその同盟国による行動は、ベネズエラの状況をさらに悪化させ、無用の人的被害と暴力、不安定を招くことはほぼ確実だ。

ベネズエラの政治的両極化は新しいものではない。同国は長い間、人種的および社会経済的な境界線に沿って分断されてきた。しかし近年、両極化はさらに深まっている。これは一つには、選挙以外の方法によるニコラス・マドゥロ政府の排除を狙う野党の戦略に対する米国の支持によるものだ。野党はこの戦略をめぐって割れてきたが、米国の支持は、暴力的な抗議行動や軍事クーデターその他投票によらない手段を通じてマドゥロ政権を打倒しようという強硬派の野党勢力を後押しするものとなっている。

トランプ政権下、ベネズエラ政府に対する攻撃的な言葉遣いは、より過激で脅迫的なレベルにエスカレートした。トランプ政権の高官たちは「軍事行動」を口にし、ベネズエラをキューバ、ニカラグアと並ぶ「暴力のトロイカ」の一環だと非難している。ベネズエラ政府の政策に起因する諸問題は 、OAS(米州機構)および国連の下でも米国の法律やその他の国際協定・条約の下でも違法な米国の経済制裁によって、一層悪化してきた。この制裁は、石油生産の急激な減少をもたらし、経済危機を深め、多くの人びとが命を救う医薬品を手に入れることができないため亡くなる事態を引き起こし、ベネズエラ政府が経済の停滞から脱出することを可能とする手段を断ち切った。一方、米国その他の政府は、米国の制裁によって生じた経済的損害についてさえ、もっぱらベネズエラ政府だけを非難し続けている。

米国とその同盟国は、OASのルイス・アルマグロ事務総長やブラジルの極右ジャイル・ボルソナロ大統領ともども、ベネズエラを窮地に追いやった。フアン・グアイド国会議長をベネズエラ新大統領として承認する−OAS憲章の下では違法とされる−ことにより、トランプ政権はベネズエラの政治危機を加速させ、ベネズエラ軍部を分裂させ国民の分断・両極化を推し進めようと狙った。明白な、時として公言されている目標は、クーデターを通じてマドゥロを追放することである。

ハイパーインフレや物不足、深刻な不況にもかかわらず、ベネズエラは依然として政治的に両極化している国だ。米国とその同盟国は、暴力的で不法な体制転換の推進によって暴力をかきたてることをやめなければならない。トランプ政権とその同盟国がベネズエラで無謀なやり方を追求し続けるなら、間違いなく流血と混沌、不安定という結果が待ち受けている。米国はイラクやシリア、リビアでの体制転換の冒険的試み、そしてラテンアメリカにおける体制転換支援の長く暴力に満ちた歴史から何かを学ぶべきだった。

ベネズエラのどちらの勢力も相手を打ち負かすことはできない。例えば、軍には少なくとも23万5千人の兵士がおり、民兵は少なくとも160万人いる。これらの人びとの多くは、米国主導であることが明らかな介入に直面すればラテンアメリカで広く共有されている国家主権に対する信念に基いて、それだけでなく野党が力ずくで政府を打倒した際の弾圧から自らを守るため、戦うことになるだろう。

そのような状況における唯一の解決策は、話し合いによる解決だ。それはラテンアメリカ諸国で、政治的に両極化した社会が選挙によって不一致を解決できなかったときに採られた。2016年秋にバチカンが主導した、可能性を秘めた努力があったが、体制転換を望むワシントンとその同盟国から支援を受けられなかった。進行中のベネズエラ危機に対し実行可能な解決策があるとすれば、こうした戦略は変わらなければならない。

ベネズエラの人びとと南米地域の利益のために、そして国家主権の原則を守るために、これらの国際主体は内政干渉ではなくベネズエラが政治的経済的危機から脱却することを可能にするベネズエラ政府と反対勢力との間の交渉を支援すべきである。

(以下の署名者の名簿は略)

(編集部 浅井健治)
posted by weeklymds at 18:55| 報道/活動報告

2019年01月25日

プログレッシブ・インターナショナルからの呼びかけ

「サンダース・インスティチュート」と「DiEM25(ヨーロッパ民主主義運動2025)」が2018年11月30日、右派勢力の世界的な台頭に対抗するネットワーク「プログレッシブ・インターナショナル」を結成し、「行動のよびかけ」を発しました。以下はその日本語訳です。ウェブサイトにアップされている2分18秒のビデオの訳も添えました。誤訳・不適訳、ご容赦の上、ご指摘よろしくお願いします。
https://www.progressive-international.org/

【すべての進歩的諸勢力に呼びかける】

労働者に、環境に、民主主義に、まともな暮らしに襲いかかるグローバル戦争が遂行されている。

右翼諸党派のネットワークは、人権をむしばみ、反対意見を抑え込み、不寛容を助長するために、国境を越えて協力し合っている。人類がこうした現存する脅威に直面したことは、1930年代以降なかった。

彼らに打ち勝つには、過去数十年の失敗した体制にただ立ち戻ることはできない。足かせなきグローバリゼーションは平和と繁栄を約束した。しかし、実際にもたらされたのは、金融危機と無用な戦争、破滅的な気候変動だった。

進歩的諸勢力がグローバルな正義をめざして草の根の運動をつくり出すときが来た。世界中の労働者、女性、権利を奪われた人びとを民主主義と繁栄、持続可能性、連帯という共通のビジョンのもとに結集するときである。

プログレッシブ・インターナショナルは、世界のすみずみのコミュニティに手を差し伸べ、私たちの共通のビジョンをともに打ち立てていく。

プログレッシブ・インターナショナルは、不平等と搾取、差別、環境破壊を終わらせるためにこれまでも闘ってきた人びとを支えていく。

プログレッシブ・インターナショナルは、大胆な国際的ニューディール政策の実現に向けてともに活動し、私たちのコミュニティを、街まちを、国ぐにを、地球を取り戻していく。

世界の進歩的諸勢力が団結するときである。

きょう、DiEM25(ヨーロッパ民主主義運動2025)とサンダース・インスティチュートを代表し、私たちは「行動の呼びかけ」を発する。尊厳と平和、繁栄、地球の未来のためにともに闘う諸個人・諸団体のグローバルなネットワークをつくり出すためだ。

ともに行動しよう。プログレッシブ・インターナショナルに結集を。

ヤニス・ヴァルファキス(DiEM25共同代表)
レナタ・アビラ(同運営委員)

ジェーン・サンダース(サンダース・インスティチュート共同代表)
デーヴ・ドリスコル(同事務局長)

【プログレッシブ・インターナショナル/ビデオ】

重大な結果を伴うグローバルな闘いが起きている。危機にさらされているのは、人類の未来にほかならない。あらゆる面で、現状の体制が失敗しつつあるのは明らかだ。

上位1パーセントが今や世界の富の半分を支配する一方、何百万人もの労働者が貧困と不安でがんじがらめにされている。グローバリゼーションは繁栄を約束したが、実際にもたらされたのは金融危機と終わりなき戦争だ。その間にも、地球の気候は破壊へと近づいている。

この危機の中から、グローバルな権威主義が台頭しつつある。そうしたリーダーたちはマイノリティと自由な言論、民主主義そのものを攻撃することで国家の威信を取り戻すことを約束する。しかし、結局は彼ら自身の利益を図っているにすぎない。1930年代の恐るべき再現である。

今日の権威主義リーダーたちはそれぞれに孤立しているのではない。資金提供者や戦略、接点を共有する右翼諸政党のグローバル枢軸の不可欠な一部分である。そして、彼らは世界中で政権を奪取しつつある。

グローバルな平和と繁栄をめざす闘いの共通の戦線を、私たち自身がつくるときが来た。この運動は人びとを世界の左派勢力のもとに結びつけ、私たちがどんな世界に住みたいか、いかにそれを現実のものとするかについて考えをめぐらすだろう。世界中の働く人びとを民主主義と持続可能性、連帯という共通のビジョンのもとに結集していく草の根の運動である。私たちはもはや改良主義をよしとはしない。

私たちは世界のすみずみのコミュニティに手を差し伸べ、ともに力と連帯を築いていく。

どの国にも、進歩をめざして闘う人びとがいる。私たちはともに歩み、強固になった。世界の進歩諸勢力が団結するときだ。きょうから始めよう、よりよい未来の建設をめざして。

(編集部 浅井健治)
posted by weeklymds at 20:09| 報道/活動報告